日経メディカルに、ALK肺癌、RET肺癌に選択肢が増え治療シークエンスを考える時代に という今年9月の世界肺癌学会(WCLC2018)における肺癌(分子標的薬)のレビュー記事が掲載されていました。
ALK陽性肺癌の1次治療としてのbrigatinibフェーズ3試験、ROS1融合遺伝子陽性肺癌に対するentrectinibや、EGFRとHER2エクソン20の変異に対するpoziotinibといった新薬の臨床試験結果が話題になっています。
分子標的薬では薬剤耐性は避けられない問題ですが、ALK陽性肺癌においては使える武器が増え、アレクチニブを1次治療に使い、次はロルラチニブ、その後はセリチニブかbrigatinibというシークエンスで、そこにペメトレキセドを中心とした化学療法をどう入れるのかというような検討が進むようです。
ジオトリフ(アファチニブ)に関しては、減量しても、開始用量を下げても、その効果は落ちないという結果が示され、第2世代EGFR-TKIは高い用量で体に負担をかけるよりも、早めに減量、休薬して、患者さんの負担が減ったところで長く続けるほうが、治療効果上も良い働きをするのかもしれません、とのことです。
日本では、脳転移があればすぐにガンマナイフ治療などで抑えるなど、後治療をしっかり行うことがOSに反映されている、とのことですから耐性ができても粘り強く治療に取り組まなければいけませんね。
分子標的薬だけでは遺伝子の異常に伴う増殖に対してコントロールはできても、完治、治癒というところまでいくかどうかは疑問とされています。ただし、先日話題にした「全部盛り」のIMpower150試験に触れ、EGFR変異陽性やALK陽性肺癌症例でも免疫チェックポイント阻害剤の効果が見られているのは、アバスチン(ベバシズマブ)追加に由来するかどうか定かではありませんが、リンパ球を誘導するなどして免疫治療が効くことが分かってくれば、可能性が膨らんできます。
自分自身の免疫なども含めて、分子標的薬にプラスαの要素が加わる事により、完治も視野にして治療できることをとても期待したいと思います。