欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)の速報の中で気になった発表は、まだフェーズ1bですがKEYNOTE-200試験の結果ですね。進行非小細胞肺癌(NSCLC)と進行膀胱癌の患者に対し、腫瘍溶解性ウイルスCoxsackievirus A21(CVA21)と免疫チェックポイント阻害薬のペムブロリズマブ(キイトルーダ)の併用療法は忍容性が良好で、有望な臨床効果を示した、というものです。
腫瘍溶解性ウイルスとは、がん細胞に感染してがんを破壊するウイルスのこと。遺伝子改変によって、がん細胞の中だけで特異的に増殖するようデザインされており、正常細胞を傷つけることはなく、正常細胞での副作用は少ないと考えられています。さらに、患者自身の腫瘍免疫を増強する効果も期待されています。
腫瘍溶解性ウイルスによって壊れた細胞が処理され、免疫反応を誘導できれば、免疫チェックポイント治療の効果を高められるのではないかというものです。
結果はまだまだでしょうけれど、EGFR遺伝子などのドライバー遺伝子変異陽性患者への免疫チェックポイント阻害薬は効果を発揮しづらいと考えられていますので、このような手法がうまく使えるようになるといいな、と思います。