3月14日(水)午後

 

検査の時間がやって来ました。

病室で点滴の準備をして、内視鏡センターまでは車いすで運んでもらいました。

 

処置室は意外と狭いかな。ベッドに横になり、左胸が上になる体勢になりました。ちょっと寒い。

胃カメラや大腸カメラの経験はあるけれど、これまでは自分が元々持っている穴から内視鏡を挿入していましたが、今回はメスで穴をつくるところから始まります。

 

横になっているので、正面のモニターは見えるのですが、背後は全くわかりません。人の気配がどんどん増えていきます。ギャラリーが集まってきたのでしょうか。内視鏡センターだから、その道のエキスパートの人が操作するのかと思っていたら、経験の浅い若い先生が担当のようです。大学病院なので、人材育成に協力しないといけませんね。

 

指導者に促されて、検査がスタートしました。肋骨の間を局所麻酔して、切開したあとポートを設置し、胸腔鏡を入れます。余分な胸水を抜くと胸腔の内部が見えてきました。胸膜は、肺の表面を直接覆う臓側胸膜(肺胸膜)と、胸壁の内側(胸腔)を覆う壁側胸膜とに分けられます。この2枚の胸膜の間に胸水が溜まっています。原発巣のある左下葉は臓側胸膜を通して色が悪い感じがします。壁側胸膜には病変が認められ、この腫瘍部分を採取していきます。

 

正確に描写するとグロテスクなのですが、最近同じようなシーンを見ることができました。先日、タイのサッカー少年たちが洪水で洞窟に閉じ込められた出来事がありましたよね。彼らを救出に行く潜水士が捉えた映像がまさに胸腔内にそっくり。胸水の溜まり具合、鍾乳石のような病変...

 

最初は痛みはなかったのですが、奥に進むにつれて麻酔が効いていないのでしょうか、検体を採取するときにとても痛い。思わず「イテテテテッ!」と声が出ます。もう10個くらい採ったから終わりかなと思っているところに、先生が「半分過ぎましたから、もう少しですよ。」の激励の声。「えっ、まだ半分ですか?!」 要するに空振りや、つかみ損ねがあったのですね。ためらうと痛いから一気にやってね。

その後、鼻に酸素チューブを着けてくれました。点滴からの安定剤が効いてきたのでしょうか、頭がぼんやりしてきました。

「大きいのが採れた。」、「これは培養に回そう。」とか、声がにぎやかになってきたところで、なんとか終了しました。

 

胸水は750ml抜いたようです。急激に抜くのは悪影響が出るので、残りはドレナージチューブを留置し、徐々に抜いていきます。病室に戻る前にレントゲン写真でチューブの位置を確認しました。

 

病室に戻ると、ドレナージチューブをチェスト・ドレーン・バッグに取り付けました。右側に胸水が溜まるようになっています(写真は2日目に撮影)。検体採取時の出血により、少し赤みを帯びています。

 

 

チェスト・ドレーン・バッグにはもう一本のチューブがあり、これは病室の壁にあるバキュームの口に取り付け、陰圧にすることで、胸水の排水としぼんだ肺の膨張を促します。

点滴スタンドに取り付けていますので、トイレに行くときは、壁からのチューブを外し一緒に運びます。ただし基本的には、私は病院に繋がれた状態でしばらく過ごすことになりました。

 

今日は、初めての体験をたくさんしました。患者としての経験値が上がりレベルアップしたかな?

 

つづく