曇の隙間から、
時々青空が見えます。






こちらに越して、

もうすぐ5ヶ月。




もうすっかり慣れて、

子どもたちも自分たちの暮らし方を、

この住まいから見いだし。







とても充実した日々を、

暮らせているようです。







そんな中、

昨日忘れていた報告がありました。




主人の携帯に、

前の住まいの買主のマンション業者の方から、


「明日から解体となります」


との連絡があったそうです。




とてもやさしい対応に、

じ〜んとしました。







以前住んでいた、

煉瓦のあの住まい。




まだ取り壊していなかったんだ…




最後に「ありがとう」と、

伝えに行った方がいいのか。







娘彩月にはバイトに出掛ける前、


「どうする?

時間の空いた時にでも見に行く?」


と聞いてみましたが、


「うーん

別に見たところで

どうかって言われても

どのみちバイトの空き時間も、

いつになるか全然読めないし」


とのことでした。




そっか。




今日は家にいる予定の楓季に聞いてみた。



車でサッと行ってみる?


「今さら行ってもなぁ

あの時のままの記憶でいい気がする」


そうだね。




確かに。

 



あの時きちんと掃除して、

ありがとうを言ってきた訳だし。




もうとっくに私たちの家ではないものね。







アンミングを枕に吹きかけた瞬間、

あの家を思い出して胸がキュンとなりました。




あの煉瓦のお家にいる時からの香り。







私たちが出て行ってから、
今日までの約5ヶ月。



空っぽの煉瓦のお家は、
毎日何を考えていたのかな。



でもね。



再生だよ。



そう再生するんだよ。



終わりじゃない。



私と同じで再生して、
新しい形の住まいに生まれ変わり、
またたくさんの笑い声を聞きながら、
温かい家庭を包み込んでね。



ありがとう。


感謝。






煉瓦のお家。