老いだけではなく、
私はリウマチという持病もあるため、
日によっては物を強く握りしめることが、
できない時もあります。
強張りさんが目を覚ますと、
思い出したかのように、
意志とは違う方向に丸まろうとします^^;
そんな時は、
料理の際にトングすら上手に使えなかったり、
コップが掴めなくて落としたり。
お箸を何度も手からポトリと落としたりね。
私は昔から余韻を残す仕草がとても好きで。
物をバンと置いたり、
髪をかき上げたあと手をサッとおろしたり、
お食事の途中でナフキンでお口を拭く時に、
忙しめにゴシゴシッという動きなどが、
とても苦手でした。
空気を掴むようなと表現すれば良いのか、
風に乗って身体が動くというか…
余韻を残すような仕草や動きが好き。
それが好きで自分の身体の中に、
インプットしたのが中学生の頃でした。
祖父がライオンズクラブの会長をしていた時、
ファミリーで食事会が、
よく開催されていました。
私もそのパーティーには幼い頃から、
祖父に連れて行ってもらい、
今から思えばその場は、
とてもいい社交の場で、
刺激的でもありました。
その時にとても所作の美しい、
ご婦人がいらしてましてね。
その方の仕草が優雅で美しく。
中学生の私はしばらく、
見惚れてしまったのです。
ナイフやフォークを手に取る前に、
腕や手首の動きが柔らかく風に乗るように。
そしてそれらを掴む時には、
まるで空気を掴むような、
そんなワンアクションがあってからの、
ナイフを手に取る動き。
お年を召されていらっしゃるからこその、
優雅さと動いたあとの余韻。
今でも目に焼き付き、
目を瞑ればその姿が思い出されます。
私はその日から自分の仕草を、
そのように振る舞えるよう、
身体に刷り込んでいった訳ですが…
私のその仕草に気付いて下さったのは、
デビュー前からお世話になっていた、
事務所の寮母さんだけでした^ ^
あとにも先にも(笑)
「ちーちゃんはいつも
物を取るときにパッと取らないで
ワンアクションあってから取るから
カルタ遊びで一枚も取れないのね」
お正月に談話室で皆で、
カルタ遊びをしていて、
苦戦していた私は寮母さんに、
こう言われました(笑)
カルタ取りのことまで、
考えていなかったわ!
と思った若き頃の小さな思い出です。
余韻を残す仕草は、
その後いろいろな場面で役立ちました。
歌を歌ったあとの、
お辞儀をする時にも。
ゆっくりと余韻を残して九十度に。
そしてゆっくりゆっくりと上げて!
顔をゆっくり上げて、
感謝の気持ちで笑顔。
と訓練受けましたから^ ^