みんなとの思い出




舌がん手術後病室にて家族写真。





2019年2月22日


私は舌がんのため、

舌の6割以上を取り、

そこに太腿からの皮膚の一部を充てがう、

再建手術とそして…



リンパ節にも悪性腫瘍が転移していたため、

郭清術を受けました。




結果11時間もの手術。




医療チーム・スタッフの皆様のおかげで、

今はこうやって元気に毎日を過ごせています。



ステージは4でした…



当時の我が家は、

失意のどん底にいました。




あの時は当事者の私よりも、

家族の方が

哀しい気持ちと不安に押し潰されそうな、

それぞれ辛い毎日を、

送ってっていたのかも知れません。




大切な人を失うかもしれない…



とにかく悔いのないように。



今自分たちはお母さんのために、

何をやればいいのかと。




ひとりひとりが

そう思ってくれていたのでしょう。



面会が許されてからは、

時間が空いたら、

なるべく病室に訪れてくれ、

笑わせてくれていました。



日曜日になれば主人が、

一人暮らしをしている息子や娘にも、

 何時に病室に集合!

と陰で声を掛けてくれていたんだと思います。




土曜日や日曜日の、

必ず午後3時前後になると、

ぞろぞろと家族が病室(個室)に、

集まってきます。




最初はみんな決まった時間になると、

続々やってくるので、

なんでかなと思っていましたが、

何度目かには

主人の号令が掛かったのだなぁと、

気付きました。




 時には地方で働いている、

息子たちまでもが来てくれて。




私は家族のみんな、

子どもたち一人一人から、

そして何より主人から、

こんなにも必要とされているのだなと。




そう実感できたことが、

術後の回復とその後「生きる」ための、

大きなエネルギーを作り出す、

きっかけとなりました。




今はコロナ禍で入院をしていても、

家族がお見舞いにも行けないと。



いろいろな方々から、

そのようなお話をお聞きする度に、

胸が痛む思いがします





写真を撮ったこの時は、

術後の状態も安定して、

身体のあちらこちらに、

いっぱい刺してあった管も、

随分と抜けて少なくなり。




顔の腫れもかなり治まってきた頃。




やっと何とか撮ることが出来た、

記念すべき病室での記念写真です。



個室ということもあり、

看護師さんの許可をいただき撮りました。




思えば告知を受けてから、

兄弟姉妹で力を合わせて、

家事を担ってくれましたね。




その時にこれから先、

手術後の入院が長引くであろう。




そのあとももしかしたら、

体調を崩してしまい、

もう二度と普通の生活には、

戻れないかも知れない。




そして何より恐れていた、

最悪の状況も…


やはりあの時は、

考えなければならなかったのは、

哀しい現実でした。




母が居なくとも、

自立が出来る様にと、

実家暮らしの下の二人、

息子楓季と娘彩月に、

最低限必要な家事を、

短期間で叩き込んでくれた、

息子あきひろ・娘真由・息子尋紀。




みんな顔が隠れていますが、

この時の顔の表情は、

どの子も今まで見てきた中で、

最高に素敵な笑顔をしています。

もちろん主人が一番嬉しそうですが(笑)




家族というのは誰かが困った時、

大変な時や辛い時にこそ、

集まって一致団結し、

乗り越えていけるのが、

「本当の絆」

なのだと。




そう思ったのもこの時でした。




普段はそれぞれに

自分の人生を歩んでいても、

大変な時にこそ助け合い

手を差し延べることができるのが。



家族の絆。





私は今まで、

ただがむしゃらに生きてきました。




自分の身体の悲鳴にも、

耳を傾ける余裕などなく

子育て・仕事・家事にと。



全てにおいて全力でやればいいと、

とにかく走り続けてきました。

それが美徳だと思っていたからです。




それもこれも…

自分のためにだけではなく、

子どもたちのために。



誰かのために。



そう思っていました。



でも病気をして感じたこと。




これからは自分のために生きることが、

結果的に回りのしあわせに繋がるんだ。




もう今までとは違って、

そういう時期に差し掛かってきたのだと。




みんなのためにも、

無理をしてはいけないと。



私の命と存在を、

まだまだ必要としてくれている、

家族がいるから。



だからこそ、

私は先ずは自分を大切にして、

生きていくこと。



それが一番だと、

気付いたのです。



人は一人では生きられないもの。



たくさん流した涙も、

明日になれば乾くものです。



あれから2年。




実家から離れて暮らしている息子や娘は、

自分の用事がある時しか、

ほとんど連絡はありません(笑)



でも家族LINEは、

常にみんなの既読はつきます。



家族だから気を遣う必要も、

逆に遠慮もないから。



大した用事でなければ、

忙しいので返信がない時も多いです(笑)



家族には心からありがとう♡






こうやってあの時の貴重な一枚を見ると、

自分に起きた出来ごとが、

蘇ってきて…



心も気持ちもタイムスリップします。



前向きに生きていくことは、

とても大切ですが、

あの時のことを思い出しながら、

心の整理をして。




また心新たに感謝の気持ちを持ち直して、

人生の歩みの続きを始めるのも、

必要だと思うのです。



大丈夫。


もうこれ以上、

辛い思いはさせないからね。








アメブロのテンプレート企画。



今回も夢中になってあの時の自分に戻って、

綴ってしまいました。



ぞろぞろ家事に戻ります!