明日ぐらいから、
また節気が移るそうです。
「晴明」から「穀雨」へ。
実りをもたらす春の雨のことを、
穀雨というそうです。
しとしとと降る春雨が田や畑を潤して、
実りの準備に入る時季だそうで。
春雨はそんな大切な役割があるのだと知ると、
無意味に起こるわけでは、
ないのかとも思いますが。
その季節のその時季の、
気候や気象を考えて、
昔の人は生きるために、
いろいろなことを考え、
生活してきたのだなと。
感謝の気持ちとともに、
人間の智慧に誇らしく思ったりします。
その中でも「穀雨」の初候は。
七十二候「葭始生」
あしはじめてしょうず
と読むそうです。
「豊葦原の瑞穂の国」
とよあしはらのみずほのくに
って聞いたことあると思いますが。
日本がかつては、
葦(あし)が豊かに生える国という意味で、
そう呼ばれていました。
昔の家は屋根吹きも葦で。
すだれも紙も楽器にも、
葦が使われてきたそうです。
葦と言うと思い出すのが、
滋賀県近江八幡の舟渡り。
取材や観光でよく乗ったのですが、
ゆっくりと先頭さんの漕いで下さる舟。
琵琶湖の水郷を舟で巡ります。
水郷の舟の路の両側には、
せいの高い葦が群生しており、
とてもとても長閑で。
時もその舟のように、
ゆっくりゆっくりと流れている…
そんな晴れたあの日を思い出します。
その葦も春には若芽を出すそうです。
葦角と呼ばれる春の季語がそれです。
季節・時節・節気・七十二候を感じながら、
毎日を過ごしていくと、
普段見えていなかったものも、
見えてきたりして。
人生がより味わい深いものに思えたりもして、
なんとなくお得な気分です。







