全て自主リハビリに費やしました。
1時間半ほど時折鏡を見ながら、
自分の口や舌の状態を見て。
一音一音確認。
あれだけ完璧に発語出来るようになっていた、
「ラ行」が、
また言えなくなってしまいました。
何という事でしょうか。
自分の舌にどんな変化が起きてしまったのか?
「ラ行」と同じく言えなくなった単語は、
「き」や「え」
「きゃ」です。
でもとても大きな事にふと気が付いたのです。
苦手だった「ザ行」。
これは「ジャ行」になってしまい、
術後一度もまともに言えていませんでした。
それが綺麗に発音が出来るのです。
あと「つ」と「ち」も。
この二つの音が綺麗に口から出た時には、
鳥肌が立ちました。
特に「つ」はいくら頑張っても、
「ちゅ」になってしまっていました。
それもたった一晩で、
言えるようになったんです…
言葉がまた伝わらなくなり、
絶望的に感じていたけど、
時間を掛けてゆっくりと確認をしていくと、
術後一度もまともに発語出来なかった音が、
綺麗に難なく言えていたのです。
それに加えて私の舌にとって、
物凄い事が起きていました。
あと10分程で、
家を出なくてはいけないという時に、
ふと口の中の大きな変化に気付いたのです。
移植した元太腿の組織(皮弁という)には、
一部ダブ付きがありました。
そのダブ付きはたまに、
ブルブルと震えたりして、
「つ」や「ち」を発語する時に、
とても邪魔で悩みの種でした。
息を吸ってもブルッと震える事もあり、
どうにかならないものかと、
口腔外科の主治医の先生にも、
相談した事もあったほどです。
薄い脂肪のような皮が、
舌でブルッと震えるのですから、
気持ち悪いし発語の邪魔にもなるので、
取り除く方法はないのだろうかと。
しかしながら太腿の組織そのものなので、
無理だとの事でした。
次第にそのダブ付きにも慣れて、
そのダブ付きありきの発語の仕方を模索して、
練習してきた音もありました。
もしかしたら…
この変化が、
何かしらのヒントに繋がるかも知れない。
「つ」と「ち」を術後初めて、
綺麗に発することが出来る事を、
もう一度だけ確認した後、
大学病院のリハビリに向かいました。
一連の話をリハビリの先生にしたところ、
全てにおいて腑に落ちたのです。
そもそも舌は、
とても強い筋肉なんだそうです。
そこへ太腿の組織を移植したのですから、
相当鍛えなければならない訳です。
舌の役割を担う為には、
物凄く鍛えなければならないという事が、
実証されました。
恐らく舌のダブ付きも、
筋肉になった為なくなり、
柔らかかった舌の感覚が堅く変化したから、
「ラ行」が言えなくなってしまったと、
いう事です。
リハビリの先生と、
「ラ行」を一音ずつ確認して、
一からやり直す事になりました。
でもこれは、
後退しているのではなかったという事が、
明確に解り本当に救われました。
私のように喋る事を仕事にしている人で、
この手術でここまで舌を取ったという、
前例が無いぶん…
あらゆる可能性に繋がることは、
全て試してみてという、
本当に手探りの状態です。
舌は強い筋肉の塊なんだ。
それを今日聞いて、
術後初めてこんな目標を持ちました。
「本物の舌に鍛え上げる!」
今日は頭が変になるほど、
落ち込んだけれど。
また這い上がりました。
目標は見つけたもの勝ちです。
そういえば、
お昼ごはんを食べ忘れていました。
久しぶりにホットドックなる物を、
食べました。
大好きなアボカドのディップ。
コーヒーとデザートには、
シナモンプディングサンド。
しかし…
この病気は私に沢山の試練を与え続けるよね。
まだまだ人として、
成熟出来ていないというのか。
修行が足りないのかなぁ。