追放法案だぁ!米国議員が『NY中国領事館の閉鎖と中国外交官追放の法案を発表!』残すは中国大使館のみ!

 

「NY中国領事館を閉鎖し、外交官を追放せよ」米議員が法案 秘密警察署の摘発受け

山中蓮夏 2023/04/29

中国の福建省福州市の公安部が設置したニューヨーク・マンハッタンの中国海外警察署。現在は閉鎖されている。2023年2月25日撮影 (Samira Bouaou/The Epoch Times)

 

【要約文】米共和党下院議員が、米NYの中国総領事館と香港経済貿易代表部を閉鎖するよう求める法案を提出した。

 

この法案は、米国在住の民主活動家に恫喝を繰り返した中国公安部の職員らを訴追し、中国海外警察署を運営していた疑いで中国系米国人の男2人を逮捕したことに触発されたものである。

 

法案は、72時間以内に対応するよう要求するもので、中国共産党の影響力工作の排除を強調している。

 

中国海外警察署は異を唱える人権活動家などの帰国を迫る拠点として知られており、30カ国に存在しているとされる。

 

又、香港経済貿易代表部を巡っては、2020年に香港国家安全維持法が施行されて以降、中国政府の在外公館としての役割を果たしていると指摘されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「強者に喧嘩売るな」中国『戦狼』総領事、ウクライナに絡め日本・台湾を威嚇:余りの批判に珍しく釈明に回るも「火に油」の醜態:2022.2.28(月):吉村 剛史

中国の薛剣・駐大阪総領事(総領事館HPより)


(ジャーナリスト:吉村剛史)

「弱い人は強い人にケンカを売るな」

SNSを駆使した日本における「言論戦」の担い手、中国駐大阪総領事館の薛剣総領事のツイートが、ロシア軍のウクライナ侵攻でも火を噴いた。

侵攻直後「弱い人は絶対に強い人に喧嘩を売る様な愚かをしては行けない」(ママ)などと日本語でツイート。これが台湾や日本への威嚇を意図したものだとして、SNS上では日本語や中国語、英語で「外交官失格」などと猛烈な批判の集中砲火を浴びる結果に。

ただちに薛氏は「誤解」「曲解」などと釈明に追われたが、人が鶏を棒で打ち据えるネット上の動画をロシアとウクライナに例えた説明に、さらなる批判が集中。改めて外交官としての品格が問われる事態に発展している。

 

  戦狼外交官の外交感覚


米軍のアフガニスタン撤収時、米軍機にしがみつき、上空からふりおとされるアフガニスタン人の姿を揶揄した人命軽視のツイートをしたり、国際人権団体が、国家安全維持法の施行で言論の自由が保障されなくなったとして香港における事務所閉鎖を決めた際には「害虫駆除」とつぶやいたりするなど、薛氏の過激発言はたびたび批判を浴びてきた。

 

その不適切な発言ぶりを、一種の「芸風」と受けとめられるマニアックなファンも一部には存在するほどだが、ここへきて薛氏はその不謹慎さをさらに強くし始めている。

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【参考】
米軍機の人落下を揶揄の中国総領事、日本へほっこりツイのなぜ?

人権団体を「害虫」扱い、中国総領事の度を越した過激ツイの狙い
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2月24日、ロシア軍のウクライナ侵攻が始まった直後、薛氏は、台湾の大手ラジオ局、中国広播(台北市)で会長を務める、最大野党・国民党の趙少康氏が、ウクライナ情勢を引き合いに中国を過度に刺激することへの懸念を示した発言動画に反応し、ツイッターにおいて日本語で「ウクライナ問題から銘記すべき一大教訓」と題した投稿を行った。

 

 

「弱い人は」

「絶対に強い人に喧嘩を売る様な」

「愚かをしては行けないこと!」

「仮に何処か他の強い人が」

「後ろに立って応援すると」

「約束してくれてもだ」

「これと関連で更に言えば」

『人に唆されて』

『火中の栗を』

『拾ってはいけないこと』だ


問題となった薛剣総領事のツイート画面

 

 

 

  「五輪の平和、台無し」と大炎上


これは中国と対峙する米国を「後ろ盾」と頼みにしている台湾の蔡英文政権や、米国と歩調を合わせ、「台湾有事」「イコール日本有事」とみて、東シナ海での中国の強硬な動きを警戒する日本社会への威嚇、けん制の意図が含まれるとも解釈される事から、薛氏のツイートに対し、日本語や中国語で

 

「オリンピックの平和な思いが台無し」

「不適合外交人員(外交官失格だ)」

「外交官以前に人間として不適合」

「真に強い人は弱いものいじめなどせず、弱い人を助けるものだ」

 

等とする批判の返信投稿が殺到した。

なかには漫画「ドラえもん」の1コマを示し「かわいそうに」と薛氏の正気を疑うセリフで当てこすったり、清朝末期に中国が列強から蚕食された風刺画を示し、「全くそのとおりだ」と皮肉を込めたりしたものも。

 

  めずらしく釈明も、さらに批判に拍車


猛烈な批判の殺到にひるんだのか、いつもは強気な薛氏も、今回ばかりは翌25日に関連ツイートを投稿。

「昨日の投稿が多くの方に注目され、有難う!」とうそぶきつつも、

 

「一部から私の真意が理解されず」

「誤解や曲解もあったが、全く不本意で残念!」

 

「『恃強凌弱、以大欺小』(力をたのみとする弱い者虐め)は」

「中国外交ではない」

 

と、釈明。

「たまたまネットで見たこの動画が」

「自分が伝えたいのとほぼ一緒なので」

「是非ご覧頂きたい!」

「情勢認識の一助になればと思う!(合掌マーク)」

 

と、した。

このツイートで引き合いにしたネット上の動画では、庭の複数の養鶏群に「アメリカと連中」、1羽だけ離れた養鶏に「ウクライナ」の文字がかぶせられており、「ウクライナ」が、「露」の文字がかぶせられた人に挑みかかり、その直後に人(露)から棒で打ち据えられるという内容。

 

 

 

薛剣氏の「釈明」ツイート。「アメリカと連中」「ウクライナ」と記された鶏と棒を持った人を映し出した動画がついている

 

 


「釈明」ツイート動画のその後。「ウクライナ」とマークされた鶏が人に反抗し、棒で叩かれている


しかしこれに対しても、日本語や中国語、英語で

 

「わっかりやすい!」

 

「大家没有曲解你的発言、請放心」

(誰もあなたの発言を曲解等していない、安心して)

 

「Persona non grata」(外交官として好ましからざる人物)

 

「冷静な情勢分析とともに、未来に希望の持てる発信もお願い致します」

 

等と批判したり諭したりする返信投稿が相次ぎ、火に油を注ぐ結果となったようだ。

 

 

  垣間見える狼狽ぶり


薛氏の日本語によるツイートは、米国や台湾、香港等に関連する発言ではこれまでも「言葉の戦狼外交官」と揶揄される程に、過激かつ品格を疑うような表現が目立っていた。

 

処が、これとは対照的に、自身の任地の日本に対しては、パンダの赤ちゃんの話題や地域文化交流等を前面に打ち出した穏やかな表現に終始する事が多かった。

しかし、今回の発信は、その状況から、日本に対する威嚇・けん制も含まれると解釈される点が際立っており、日本社会の余りの猛反発に、駐日大使館や本国からの苦言もあったのか、いささか狼狽気味に対応した様子がうかがえる。

 

その結果、釈明ともつかないようなぎこちない、火に油を注ぐ「追いツイート」になってしまったのだろうか。

薛氏とバランスをとるかのように昨年10月下旬、SNS発信を「『和を以て貴しと為す』との理念」に基づいて行うとし「友好交流」「互恵協力」を掲げてツイッターのアカウントを開設した東京の孔鉉佑駐日大使が、公の場に長らく姿を見せていない事も、今回の薛氏の右往左往する言動に関連しているのかもしれない。

 

 

  姿消した孔大使、臨時代理大使はライバル


孔氏は今年1月以降、番頭格の楊宇公使を「臨時代理大使」として実務にあたらせ、自身は春節(旧正月)などの節目のビデオメッセージ等、映像のみで公に姿を見せるにとどまっている。

楊氏と薛氏は年次も近く、ともにジャパンデスクのやり手として次期駐日大使ポストを争う関係にあると見られている。

 

大阪から楊氏の背中を追う立場である薛氏の、米国や台湾などに絡む過激なツイートは、戦狼外交を展開する本国からの評価を意識したものだともささやかれているが、今回、自身の任地の日本社会に対しても、直接ゆさぶるかのように受け取られる発言をし、不興を買ったかっこうになってしまった。

 

この“失態”は、臨時代理大使のイスに座るライバル楊氏に対し、薛氏自身の足をすくう口実を与える結果にもなりかねない。

 

 

そもそも駐大阪総領事というポストは、これまで筆者が独自に報じてきたように、かつての羅田広氏が一時帰国中に不審な急死を遂げた事を始めめ、薛氏の前任の何振良氏も、着任後僅か10カ月程度で姿を消し、そのまま失脚した事を念頭におけば、中国の外交官にとっては鬼門のようなポストであることもまた事実なのだ。

 

  台湾、香港の危機感あおり反露デモ盛況


ロシア軍のウクライナ侵攻を受けて26日、東京・渋谷駅のハチ公前広場では、日本在住のウクライナ人らが抗議デモを行い、これを支援する日本人や在日米国人だけでなく、当のロシアを含む旧ソ連出身者ら有志がロシアのプーチン大統領を糾弾し、「ウクライナに平和を!」などと呼びかけた。

 

2月26日、東京・渋谷では在日ウクライナ人らによる反ロシアのデモ活動が行われていた(筆者撮影)


実際に現地を訪れた筆者が、狭い広場を埋め尽くすほど混雑した人込みに分け入ると、顔見知りの香港の民主活動家を始め、台湾出身者らの参加も確認され、遠く欧州のウクライナで勃発した事態が、そのままアジアにおける中国の強硬姿勢への警戒に直結していることが改めて確認できた。

皮肉なことに今回の薛氏の過激なSNS投稿は、日本社会や在日台湾人、香港人らの危機感を一層刺激し、結果として反露デモの盛況に一役買ったことは間違いなさそうだ。