高脂肪食とジャンクフードで脳が再配線され、食欲が調整される。
2023年02月07日(火) 記入者: ゾイ・スカイTags: #nutrition, appetite, badfood, badhealth, brain function, brain health, eating habits, fast food, fast food diet, fatty food, food science, health science, high-fat diet, junk food, obesity, poor nutrition, processed foods, weight gain
ハンバーガーや、フライドチキンの様な脂肪分の多い食べ物や、ジャンクフードを食べると太り易くなりますが、脳の健康に影響を与える様な食べ方をすると、太ってしまいます。
ジャンクフードの悪の手口 高脂肪食は食欲を調節する脳の機能を乗っ取る
ある研究によると、ジャンクフードを食べ、高脂肪食を続けると、脳が再配線されるそうです。これは『食欲を調節し、カロリー消費を調整する』能力を低下させる可能性があります。
研究者達は、この研究結果が、いつか、脳の神経細胞を標的とした抗肥満薬の開発に利用される事を期待しています。
研究の詳細は『The Journal of Physiology:生理学雑誌』に掲載されました。
食習慣と脳の信号
動物実験のデータによると、アストロサイトと呼ばれる細胞は、腸への化学的経路を制御しているという。
しかし、今回の研究では、脂肪分や糖分の多い食品を継続的に摂取する事で、この重要な繋がりが乱されることが明らかになった。
この研究の筆頭著者であるペンシルベニア州立大学医学部のカースティーン・ブラウニング博士は、カロリー摂取は、アストロサイトによって短期的に制御されているようだと説明している。
高脂肪食や高カロリー食を少なくとも3〜5日間続けると、アストロサイトに最も大きな影響を与え、胃を制御する為の正常な信号伝達経路を誘発するのだそうだ。最終的には、アストロサイトは、高脂肪食に対して鈍感になるようだ。
ブラウニング博士は、高脂肪食や高カロリー食を10〜14日間続けると、アストロサイトが反応しなくなり、脳のカロリー摂取調節機能が失われると付け加えた。
すると、胃への信号伝達が乱れ、胃が空っぽになるのが遅れるのです。
(関連記事:ファーストフードの食べ過ぎは、脳に不可逆的なダメージを与える可能性があると、健康専門家は警告している)
米国疾病管理予防センター(CDC)によると、米国の成人の40%以上が肥満である。これは、心血管疾患や2型糖尿病のリスクを高める。
専門家は、脳の役割や大食いに繋がる複雑なメカニズムを知る事で、体重増加を治療する為の治療法を開発できると考えています。
高脂肪食が脳の健康に与える影響
ジャンクフードを食べると、まずアストロサイトが反応し、神経伝達物質が放出されます。
神経伝達物質は、胃が「消化器官を通過する食物に対応して、充填と空になる様に正しく収縮する」事を確実にする脳神経細胞を刺激する化学物質である。
何かがアストロサイトを阻害すると、カスケードが乱されます。信号伝達物質の減少は、胃が適切に満たされたり空になったりしないので、消化の遅れに繋がります。
この研究では、200匹以上の実験用ネズミに1日、3日、5日、14日間、普通食または高脂肪食を与えて、行動観察を行い、食物摂取量を観察した。
この行動観察に、薬理学的手法や専門家による遺伝学的手法を組み合わせ、異なる神経回路を標的とした研究を行った。
その結果、脳幹の特定の部位(脊髄に繋がる後方部分)で、アストロサイトの働きを特異的に抑制することが可能になった。
その後、被験者の動物が目を覚ました時に、個々の神経細胞が、どの様な挙動を示すかを調査した。
そして、もし人間でも同じメカニズムが起こるなら、他の神経経路に影響を与えなければ、薬物療法で安全にそのメカニズムを狙えるだろうと報告した。
ブラウニング博士によれば『アストロサイトの活性と信号伝達機構の喪失が過食の原因なのか、それとも過食に反応して起こっているのか』を確認する為には、更なる研究が必要であるとのことだ。
彼女は、研究チームが、カロリー摂取を調節する脳の明らかに失われた能力を再活性化する事が可能か否かを調べたいとも言っています。
もしそうであれば、この研究は、人間のカロリー調節能力を回復させる為の介入方法の開発に利用できるかもしれません。
健康的な体重を維持し、食習慣を改善する為のヒント
ジャンクフードを沢山食べて居て健康が心配な方は、生活習慣を改善し、肥満、糖尿病、心臓疾患など多くの健康問題の発症リスクを下げましょう。
健康的な食生活の為のヒント
- 色々な野菜を沢山食べましょう。特に濃い緑、赤、オレンジの野菜を食べましょう。1日に3皿以上を目安にしましょう。
- 色々な果物を沢山食べましょう。1日に2皿以上を目安にしましょう。
- 全粒粉、高繊維質のパンやシリアルを選び、1日に3~6皿を目安にしましょう。精製された炭水化物や加工された炭水化物を減らす、又は排除する。詰り食事に含まれる穀物の殆どは全粒粉であるべきです。
- 豆類、卵、皮なしの鶏肉、魚介類、赤身の肉、無塩のナッツ類、種子類、大豆製品など、低脂肪のタンパク源をいろいろと食べるようにします。肉を食べる場合は、赤身肉の少なくとも4倍の頻度で白身肉を食べるようにしましょう。
- 飽和脂肪酸と部分水素添加油の様なトランス脂肪酸の摂取をできるだけ制限する。
- 固形脂肪の代わりに、オリーブオイルなどの植物油を使う。
- 塩分またはナトリウムの1日の摂取量を減らしましょう。50歳以上の方、糖尿病、高血圧、慢性腎臓病の方は、1日1,500mg未満に抑えましょう。
- ジャンクフードやナトリウムを多く含み、精製された白い小麦粉、固形脂肪やトランス脂肪、加糖を含む食品を制限または除去する。
- 無脂肪または低脂肪の牛乳を飲み、低脂肪の乳製品を選びましょう。
- ソーダなど、カロリーは高いが栄養が殆ど無い砂糖入りの飲み物は控える。
- アルコールは完全に避ける。アルコール飲料を飲む場合は、適量にする。
体重を減らす為のヒント
- 水分補給をし、水を多めに飲む。
- 毎日の食事で摂取するカロリーを減らす。詰り、食事の量を少なくする事です。
- 砂糖入りの飲み物を全て食事から排除する。無糖の100%フルーツジュースは飲めますが、1日1~2杯迄にしてください。
- 座りがちな活動、特にテレビを見る時間を制限する。その代わり、空いた時間は趣味や家の掃除、庭仕事など、自分の好きな事に費やしましょう。
- ウォーキング、サイクリング、水泳、有酸素運動マシン等、適度な運動を1日30~60分、少なくとも週に5日は行いましょう。
- 週に2~3日は、筋肉の強化や調子を整える運動をする。
調理のヒント
- 揚げ物は避けましょう。
- 肉を食べる時は、肉から目に見える脂肪を切り落とし、鶏肉は皮を剥いてから調理しましょう。
- 調理中に肉から流れ出た脂肪は、水気を切って捨てましょう。
- 魚、鶏肉、赤身の肉は、焼く、煮る、焼く、炒める、ローストする。
- 食品に脂肪を殆ど、或いは全く加えない。
- 野菜は食べる前に蒸しましょう。
- ハーブやノンオイルマリネで味付けをする。
ジャンクフードを避け、バランスのとれた食事を心がけ、全身の健康を維持しましょう。
食習慣を改善する為の11の方法については、以下のビデオをご覧ください。クリーンな食生活を今日から始める11の方法