地球上で大量絶滅現象が進行中、野生生物の個体数が僅か50年で70%近くも激減。
2022年10月17日(月) by: ランス・D・ジョンソン

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過去50年間、地球上から生息地や生物多様性のある生態系が減少し、大量絶滅現象が起こっています。

 

野生動物の生息数は1970年以来69%減少:WWF
 

世界自然保護基金(WWFは、1970年以降の動物個体数の驚くべき減少を記録した新しい報告書を発表しました。

 

 

最新の「リビング・プラネット・レポート2022」によると、今日の農法(単一栽培)やその他の有害な人間活動が、自然の生息地を急速に破壊し、野生動物を追いやり、生物多様性と動物の個体数に壊滅的な損失をもたらしているという。

 


野生生物の個体数が69%激減、数百万種が絶滅の危機

 

この報告書は、鳥類、哺乳類、爬虫類、両生類、魚類の5,000種以上、32,000種類の動物個体群を調査したものです。

 

その結果、過去50年間で動物の個体数が69%も激減している事が判りました。

 

アフリカでは、動物の個体数の3分の2が失われました。

 

欧州では、18%の動物個体数が減少しています。

 

アジアでは55%、北米では20%の動物個体数が減少しています。

 

最も被害が大きいのは、中南米とカリブ海全域で、これらの地域では、動物の個体数が94%も激減しています。

 

何百万種もの動植物が、絶滅の危機に瀕しているのです。

WWFインターナショナルの、マルコ・ランベルティーニ事務局長は、この新しいデータについて、組織全体が「非常に心配している」と述べている。

 

 

このデータは「野生生物の個体数が壊滅的に減少している事、特に世界で最も生物多様性の高い景観を持つ熱帯地方で顕著である」事を示している、と彼は述べた。

 

この中には、過去50年間で半減してしまった温水サンゴ礁も含まれている。

生物多様性の保全と回復を目指すべき

 

世界自然保護基金(WWFが監視している淡水の個体数は、1970年以降、平均83%減少しています。

 

湖、小川、河川の減少は、移動経路にも大きな脅威を与えている。

 

更に悪い事に、現在、監視されている世界の魚類資源の3分の1近くが乱獲されています。

 

この他にも、汚染、外来種の持ち込み、病気の蔓延などの問題がある。

 

最大の脅威は、急速な森林伐採と不注意な農法である。

「今日のフードシステムは」

「陸上の森林破壊の」

「80%以上を引き起こしており」

海や淡水に目を向ければ」

「それらの生息地における漁業資源や」

「個体数の崩壊を引き起こしています」

 

と、ランベルティーニは言います。

 

ランベルティーニは、

 

「私達は、自然の喪失が」

「世界の他の地域を保護する義務という」

「道徳的な問題だけではない事を」

「強調する必要があります」

 

「それは実は物質的な価値の問題であり」

「人類の安全保障の問題でもあるのです」

 

と、ランベルティーニは述べた。

 


欧州の研究チームは、多様な植物群落は単一栽培よりも成功し易く、より高い作物収量を可能にすることを発見した。

 

単品栽培は効率的に栽培できる反面、土壌や水にダメージを与える為、環境にとって持続可能とはいえない。

 

その為、より多様な植物群落があれば、より多くの植物や動物が自然の生息地で繁栄することができます。

 

農家は、ハーブや動物を害虫とみなすのではなく、生物多様性を高める方法を模索し、その過程で森林を保護することができるのです。

 

畑に植物を混植する事で、植物や菌類、動物が互いに補完しあいながら進化していきます。

 

パーマカルチャーでは、害虫駆除の必要性が少なく、自然の肥料を効果的に利用することができます。

ランベルティーニは、世界の指導者達は、パリ協定と同様の拘束力のある国際公約を用いて、生物多様性の損失に取り組むべきだと考えています。

 

報告書は、自然生息地の保全と回復に重点を置くとともに、より持続可能な食料生産と、より責任ある食料の消費を呼びかけている。

 

また、様々な野生食品や天然薬物等、多様な生態系が提供する資源の価値を尊重するよう各国政府に求めています。