米議員、台湾を武装化する法案を提出
「レンドリース法」は、ウクライナに武器を供給する為にバイデン大統領が署名した法案を反映している台湾・屏東県で軍事演習に参加する台湾の兵士たち(2016年8月25日)
民主党と共和党のグループは、バイデン政権に台湾への新しい軍事援助プログラムを作る事を許可する法案を提出した。
この法案は、第二次世界大戦中に、米国が連合国を武装させた1940年代のレンドリース法をモデルにしており、ウクライナへの武器供給を強化する為に最近可決された法案に似ている。
下院ではミシェル・スティール(カリフォルニア州選出)とジミー・パネッタ(カリフォルニア州選出)、上院ではマーシャ・ブラックバーン(テネシー州選出)が提出した「台湾民主防衛レンドリース法」は、大統領が台湾に武器や軍事装備を貸し出し、台北が12年間に渡って代金を支払うことを認めるものである。
この法案の名称と文言は、5月に殆ど抵抗なく議会を通過し、ジョー・バイデン大統領が署名した「ウクライナ民主防衛レンドリース法」に酷似している。
「台湾はインド太平洋地域における」「我々の最大のパートナーであり」
「彼らが主権を維持することは」
「新悪の枢軸に対抗するために不可欠である」
と、ブラックバーン氏は言い、これはジョージ・W・ブッシュ前大統領が米国の外敵をひとまとめにする為にしばしば使った悪意のある言葉を引用している。
ペロシ大統領の台湾訪問の可能性が迫る中、なぜ米国は「地球上で最も危険な場所」で中国を挑発するのか?
しかし、台湾に対する米国の公式見解は曖昧である。
1970年代以降、米国は中国の台湾に対する主権を認めてはいるが、承認はしていない。
これは、中国の侵略と台北の正式な独立宣言の両方を阻止する為の政策である。
米国は台湾に軍事援助を行っているが、この法律が可決されれば、ウクライナの法案がキエフへの援助に適用されたように、制限が解除されることになる。
1941年に成立した当初のレンドリース法は、米国が正式に戦争に参加することなく、イギリス、フランス、ソ連に武器を提供することを許可していた。
この援助は連合国が負担する事になっていたが、米国は代わりに自国の軍事基地の貸与も受け入れていた。
ここ数週間、台湾を中心とした米中間の緊張が高まっている。
バイデン氏は5月、中国による台湾の乗っ取りを防ぐ為、米国は軍事行動を起こすと発言し、台湾を巡る数十年に渡る戦略的曖昧さを打ち破った。
バイデン氏の側近は直ぐに撤回したが、ナンシー・ペロシ下院議長の台湾訪問の可能性(ペロシは金曜日に米国からアジアに出発する際にも肯定も否定もしなかった)は、状況を更に悪化させた。
中国の習近平国家主席が米国に「火遊び」をしないよう警告する中、中国と台湾は今週、軍事訓練を行った。
ペロシが訪問を実行すれば、1997年に当時下院議長だったニュート・ギングリッチが台北を訪れて以来、米国議員の中で最も高い地位にある人物となる。