希望の光:ロシアとウクライナの穀物取引の内幕
黒海の港からの出荷に関する協定が、トルコでモスクワとキエフによって締結されました。

2022年7月22日 19:43

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とアントニオ・グテーレス国連事務総長(2022年7月22日、トルコ・イスタンブール)。© Getty Images / Mustafa Kamaci


ロシアとウクライナの当局者は金曜日、国連とトルコが仲介した、黒海の港から世界市場への穀物出荷の再開に向けた協定に個別に署名した。

 

アントニオ・グテーレス国連事務総長のツイートで「希望と可能性と救済の光」と表現されたこの協定は、2つの文書で構成されています。

3年間有効の覚書は、ロシアの農産物と肥料に対する制裁の問題を扱っている。

 

2つ目の文書は120日間有効で、延長の可能性があり、ウクライナの支配する港からウクライナ農産物を輸出するための仕組みを定義している。

 

ウクライナの穀物輸出で合意

 

グテーレス大統領によると、この協定は『世界中の数百万人の食糧不足の大惨事を回避するのに役立つ』という。

 

ここでは、待望の合意における主要な条項を紹介する。

 

 

1. 国連の役割

覚書は、ロシアの農産物と肥料の輸出制限を確実に解除することを国連に課している。

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は声明で、

 

「特に、米国とEUが、金融、保険、物流の分野で」

「作り出した障害を取り除き」

「わが国に対して課されている制限的措置から」

「これらの製品の特定の免除を達成する事である」

 

と、述べた。

 

彼は、ワシントンとブリュッセルが「今日の合意の達成を妨害することをやめた」を喜び、又、覚書に署名する事は「世界市場への穀物の供給に関する問題についてロシアに責任を転嫁しようとする西側の試みの、純粋に人工的な性質を示すものである」と付け加えた。


2. 船舶の安全保障

乾貨物船には安全保障が提供され、港からの出港が許可されるようになった。

 

穀物運搬船には軍の護衛は付かないが、協定当事国は攻撃しないことを約束した。


3. 緑の回廊

オデッサ、チョルノモルスク、ユーズニーからの安全回廊の設置が合意された。

 

船舶は、ウクライナ人パイロットの指示のもと、黒海のこれらの回廊を航行し、ボスポラス海峡を通過することになる。


4. 検査

武器・弾薬の密輸を防ぐ為、アンカラが選んだ港で、ロシア、ウクライナ、トルコの当局者が全ての穀物運搬船を検査する。


5. 協調 

この協定では、ウクライナ、ロシア、トルコの代表者がイスタンブールを拠点とする共同調整センターを直ちに設立することが義務付けられている。

 

このセンターは、合意された回廊に沿った船舶の安全な通行を監督する。

ロシアと国連は、同国の国連常設代表部を通じて、製品および肥料の輸出に関する情報交換のメカニズムを構築する。