ロシア、インド・日本向け天然ガスパイプラインの建設を断念
2022年7月9日

地政学的な懸念と法外なコストのために、ガスプロムはインドと日本へのガスパイプラインの建設を断念した。

 

 

ロシアのメディアによると、ロシア・エネルギー安全保障基金のアレクサンダー・ペロフ代表は、ガスプロムが、インドと日本でのパイプライン建設計画を政治的、財政的な理由で断念した事を明らかにしたと、世耕が報じている。

 

 

ロシア、インド・日本向け天然ガスパイプラインの建設を断念

 

ガスプロム副社長の、イエレナ・ブルミストロワ氏はメディアブリーフィングで、ロシアからインドへの天然ガスパイプラインの建設は『資本集約的すぎるルート 』として延期されたことを明らかにした。

 


それによると、ガスプロム関係者の発言に反応して、ペロフ氏は次のように述べた。

 

「天然ガスパイプラインの交渉は」

「早くも2017年に始まっており」

「インドは」

「そうしたプロジェクトの実施を支持している」

 

「しかし、このプロジェクトには」

「多くの地勢があることは当初から明らかだった」

 

「政治的なリスクです」

 

「主な問題は」

「パイプラインが通過する必要のある」

「地域に関するものです」

 

「従って、プロジェクト参加者の一人である」

「ガスプロムが」

「現在のような立場になることは」

「予見されることである」

 

「その難しさをきちんと見極めた上で」

「ロシアはこれを受け入れようとしない」


1996年、イランはパキスタンからインドへのパイプライン建設を提案した。

 

当時、70億ドルを投じて、サウスパース産地をガス源とする、全長2775キロの天然ガスパイプラインを建設する予定だった。

 

しかし、各国間の地政学的な対立や米国の反対により、このプロジェクトは延期され続けてきたという。

 

イランの核開発計画に同意しないため、米国は2008年にイランに制裁を加え、状況を悪化させた。

 

 

記事によると、こうした意見の相違により、インドは戦略を転換し、イランとの協力関係を解消し、トルクメニスタンからアフガニスタン、パキスタンへの代替ルート開発に着手せざるを得なくなったという。

 

 

ペロフ氏は、インドの提案にすべて従った場合、パイプラインは米国が重視するアフガニスタンの山間部を通ることになる為、ロシアは数々の障害に直面することになると述べている。

 

このレポートで紹介された専門家によると 

 

「この事は、高い財政負担をもたらす」

「この要因が」

「ロシアの多国籍エネルギー企業の」

「現在の立場の正しさを証明しています」

ブルミストロワはまた、2017年に予測されているロシアから日本への天然ガスパイプラインを建設することは考えていないと述べた。

 

それによると、このパイプラインは北海道とサハリン島を結ぶ15,000kmのもので、双方のビジョンに基づき、67億ドルの費用がかかるという。

ペロフ氏は、現在の計画では、ロシアはガスの供給問題に直面することになると指摘した。

 

ロシアのガス田は、この様な大規模な二国間事業を支えるには不十分なのだ。

 

この調査によると、専門家は、未達成の計画による潜在的な損失を補う為に、ガスプロムが極東にLNGプロジェクトを設立する事を検討することができると考えている。