ロシアの外貨準備高が凍結された後、各国がドル保有高を削減する可能性 - IMF
2022年3月27日
ロシアは、国家が請求書を支払う為の資金を持っていると云う事実にも関らず、米国とその同盟国が偽のデフォルトを画策しようとしていると非難している。IMFによると、ロシアの外貨準備が凍結された後、これは最終的に多くの国がドル保有量を削減することに繋がるかも知れない。
国際通貨基金(IMF)の、ギタ・ゴピナス副総裁は24日、世界各国の経済が外貨準備で米ドルに依存する事が、どれだけ安全か再考する事に成るだろうと述べた。
この宣言は、ウクライナでの軍事作戦開始後にモスクワに課された制裁の結果、海外の金融機関がロシアの外貨準備の半分を実質的に押収した事を受けたものだ。
彼女は、フォーリン・ポリシー誌のインタビューで、
「一部の国は、特定の通貨を」
「どれだけ外貨準備として」
「保有しているかを」
「再考することになるだろう」
と、述べている。
ゴピナス氏によると、現在の情勢がもたらす影響の1つは、世界の金融ネットワークの「断片化の進行」だという。
しかし、長い間、世界の基軸通貨とされてきた米ドルが「直ぐに崩壊する」事は無いだろうとも述べている。
しかし、ウクライナ問題が長期化しそうな事から、ゴピナス氏はより重大な影響が出る可能性があると見ている。
ロシアが債務不履行に陥る可能性について問われたIMF高官は、世界経済への影響は軽微であり「世界的に見れば比較的小さな数字」である為「システミックリスク」は存在しないと述べた。
一方、ゴピナス氏によれば、デフォルトはロシアにも長期的な影響を及ぼすという。
「デフォルト(債務不履行)に陥った場合」「市場への再参入は容易ではありません」
「そしてそれは長い時間を要する事になる」
ロシアと欧米の銀行システムとの繫がりは、先月、実質的に断ち切られた。
少なくとも当面は、債務返済と石油輸入を除いて、殆どの取引が制限される事になった。
又、制裁により、ロシアが保有する約3000億ドルの外貨準備高が凍結された。
ロシアの信用格付けは今月初め、国際的な格付け機関によって債務不履行前の状態にまで引き下げられ、モスクワが海外の債権者に対する約束を果たす事ができなくなる事が示された。
先週、ロシアは2つのドル建て債券の利子1億1700万ドルを支払う事で、デフォルトを回避した。
メディア筋によると、ロシアは火曜日に6600万ドルの債務支払いを米国通貨で行ったという。
モスクワは、債務を履行する能力は完全にあり、他の全ての選択肢を検討した場合、国家通貨であるルーブルで送金する可能性があると、度々主張している。
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しかし、ムーディーズ・インベスターズ・サービスによると、ロシアの債務活動に対する制裁措置の猶予は5月25日に終了し、モスクワには5月27日期限の1億ドルの支払い義務が残っている為、支払い不履行のリスクはまだ残っているとの事だ。
ムーディーズは、その日以降、ロシアの債権者は「債務返済の受け取りを継続する為に特定のライセンスを必要とし、投資家の資金受け取り能力が更に損なわれる」と述べている。
ロシアは、国家が支払いに必要な資金を持っているにも関らず、米国とその同盟国が偽の債務不履行を画策しようとしているとして非難している。
モスクワは、西側金融機関が同国の資源を凍結する事で義務を果たせなかった為、債務不履行に陥ったと主張している。