断続的な断食が炎症を抑える効果が有る事を科学者が発見
2021年11月23日(火) by:Mary Villareal

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最近流行している断食という食事パターンは、体重を減らすだけでなく、炎症を抑えるという点でも体に良い影響を与えます。

 

インターマウンテン健康管理心臓研究所の研究者らは、断食によって、炎症反応の制御に関与するといわれるタンパク質、ガレクチン-3のレベルが上昇すると結論づけました。

 

 

本研究の主任研究員であり、インターマウンテン健康管理心臓研究所の心血管・遺伝子疫学部長であるベンジャミン・ホーン氏は、炎症は、糖尿病や心臓病を含む複数の慢性疾患の発症リスクを高める事に関連すると述べています。

 

 

「間欠的な断食が体に炎症との戦いを促し」

「それらのリスクを低下させると云う証拠を」

「目の当たりにして、勇気付けられました」

 

と、ベンジャミン・ホーン氏は述べています。

これらの知見は試験の一部に過ぎず、断続的な断食はメタボリックシンドロームのスコアやインスリン抵抗性の低下にも役立つ事が判りました。

 

この炎症に特化した部分の試験には、メタボリックシンドロームの特徴や2型糖尿病を少なくとも1つ抱えている21歳~70歳の患者67人が参加しました。

全ての患者は、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール値が上昇しており、抗糖尿病薬やスタチン系薬剤を服用していませんでした。

 

(関連記事:間欠的な断食は「健康的な生活習慣」の鍵、専門家が示唆)

 

 

 

断食の効果は糖尿病治療薬と同様

 

研究対象となった患者の内36人は、週に2回24時間ずっと水だけを飲むという断続的な断食スケジュールを、合計4週間続けました。

 

その後週に1日だけ断食し、水だけを飲むというスケジュールに変更し、22週間続けました。連続して断食する事は許されませんでした。

他の31人の参加者は、食事やライフスタイルの変更をしませんでした。

26週間後、参加者のガレクチン3濃度を測定したところ、断食グループの方が遥かに高い値を示しました。

 

 

又、断食グループでは、インスリン抵抗性のHOMA-IR(インスリン抵抗性の恒常性モデル評価)とメタボリックシンドロームの両方の割合が低くなっている事も判った。

これらの効果は、2型糖尿病患者の高血糖を下げる為に使用されるSGLT-2阻害剤に類似しているのではないかと、研究者達は考えています。

 


ベンジャミン・ホーン氏は、

 

断食をした患者さんで」

ガレクチン-3の濃度が高かったという結果は」

心不全糖尿病リスク軽減関与する可能性のある」

「興味深いメカニズムを示しています」
「今回の研究では」

時折行う断食が」

「健康に良い影響を与える事が示されました」

 

と、述べています。

 

インターマウンテン健康管理心臓研究所の研究は、マウントサイナイ病院のチームによる2019年の研究と同様の結果をもたらした。

 

  

 

後者では、研究者達は、断食癌、多発性硬化症心血管疾患等の慢性炎症性疾患治療役立つ事を発見しました。

 

断続的な断食は炎症の治療に役立つ可能性がある

 

また、断食は、2型糖尿病患者の糖化ヘモグロビン(HbA1c)値を低下させ、糖尿病予防に重要膵臓への脂肪の蓄積を防ぐのに役立つとされている。

 

 

 

 

上席研究員のMiriam Merad博士らは、ヒトとマウスの細胞で断食の効果を検証した結果、断続的な断食によって、炎症を引き起こす細胞である「単球」の放出が開始されることを発見しました。

 

 

 

断食期間中、これらの細胞はスリープモードに入り、餌を与えられた細胞よりも炎症を起こし難くなります

空腹時には単球の数が有意に減少し、高カロリーの食事パターンと炎症性疾患の転帰との関連性が強調されました。

研究者らは、

 

慢性的炎症が原因となっている広範疾患と」

「これらの疾患に罹患している患者数の増加を考慮すると」

断食による抗炎症効果の研究には大きな可能性がある」

 

と、述べています。