【海洋資源】無数の中国漁船

「位置情報を隠して」

他国の海域で違法操業をしている事が判明 根こそぎ乱獲 アルゼンチン沖 

 

 

世界の海洋保全を目的とした非営利団体のOceanaが2021年6月2日に、「中国を中心とする多数の外国漁船が、位置情報を隠しながらアルゼンチン沖で違法操業をしている」と発表しました。これらの外国漁船は、アルゼンチン経済にとって重要な海洋資源であるマグロやカジキ、アオリイカなどをトロール船やイカ釣り漁船で根こそぎ乱獲していると報じられています。

 

 

アルゼンチン沖を航行する数百隻の「隠された」中国船を発見 Oceana USA

 

アルゼンチンの海に浮かぶ都市

: 違法漁業の影響を示すビデオ

 

Oceanaは、船舶の名前や国籍、位置情報などを発信する自動船舶識別装置(AIS)のデータを用いて、アルゼンチンの海域と公海の境界にある海域を監視する調査を行いました。

 

その結果、2018年1月1日から2021年4月25日まで約3年4カ月間で、アルゼンチン船籍ではない外国漁船800隻以上がのべ90万時間以上にわたって操業していることが分かりました。

 

 

90万時間の漁業活動のうち69%は、400隻以上から成る中国の漁船によるものだったとのこと。一方、アルゼンチンの漁船145隻が活動した時間は9269時間で、全体の1%未満でした。

AISとは、海難事故防止のために船舶の位置や進路、速力などを自動的に送受信する(PDFファイル)装置です

 

 

OceanaはAISのデータを基に、アルゼンチンの排他的経済水域(EEZ)に沿うようにして外国漁船が多数活動していることを突き止めました。

 

 

この分析でさらに、AISを24時間以上オフにした状態で行われた漁業活動が6000件以上あることも判明しました。

 

これについてOceanaは「アルゼンチン沖でAISを切った漁船は、のべ60万時間以上にわたって位置を隠し、アルゼンチンの海域に侵入して漁業を行っていました。

 

これらのインシデントの66%は中国船団が行っており、違法行為との関連が疑われています」と説明しています。

Oceanaによると、イカをとる小型漁船の船団は、2018年以降100回以上もEEZ沿いでAISをオフにして消息を絶っているとのことです。

 

 

 

Oceanaが指摘したとおり、アルゼンチンでは外国漁船による違法な操業が深刻な問題になっています。例えば、2020年4月には中国船を中心とした漁船約100隻がアルゼンチンのEEZに入って操業していたことが分かっていますが、この時もAISはオフになった状態でした。こうした違法漁船とアルゼンチン沿岸警備隊との衝突はしばしば暴力にまで発展しており、専門家は「誇張抜きで戦争状態だ」と述べています。

 


この調査結果を受けて、Oceanaのアメリカ担当ヴァイスプレジデントであるベス・ローウェル氏は「このような『違法・無報告・無規制漁業(IUU漁業)』は、海の健康を脅かし、海の生態系に寄り添って生活する人々の暮らしに大打撃を与えます」とコメントしました。

 


また、Oceanaの違法操業および透明性キャンペーン責任者であるマーラ・ヴァレンタイン氏は「私たちの海に必要なのは保護であって、中国や他の船団の無謀な漁業ではありません。中国の商業漁業が関心を寄せる範囲は広く、見境がないものだということが日を追うごとに明らかになっています。世界は、このような船団が海に与える影響を無視してはなりません」と話しました。

日本でも度々問題になっているIUU漁業の問題性については、以下のサイトを読むと良く分かります。

IUU漁業の撲滅にむけて ~研究機関の取り組み~

海洋政策研究所-OceanNewsletter

笹川平和財団 - THE SASAKAWA PEACE FOUNDATION

 

以下は、アルゼンチンの映画俳優で旅客機パイロットでもあるエンリケ・ピニェイロ氏が、ジャーナリストらを航空機内に招いて撮影した、アルゼンチンの海域内で違法操業する外国漁船の映像です。

 

 

飛行機の窓から見える明かりは、全て外国のイカ釣り漁船によるものとのこと。ピニェイロ氏はTwitterへの投稿の中で、「私たちは昨日、私たちの海を食い物にし、生態系の破壊を引き起こしている外国漁船の船団を上空5000フィート(約1525メートル)から撮影しました。彼らはアルゼンチンの海の外である201海里以遠ではなく、内側にいます」と訴えました。

 

 

 

 

 

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