【洗者ヨハネ】

 

 


その頃、洗者ヨハネが現れ、

荒野の緑に在るヨルダン河の岸で説法していた。

洗者ヨハネは、知識への道をどの様に行くかを教える

神の古い伝えの洗礼について説法していた。

その内容はこうである。

『 従わねばならない神の掟が在り、
    それはこの人種にとって
唯一の支配者であり、

   
創造は、その上に存在し、人々や、宇宙や、生物の支配者であり、
    中性の創造は、
全ての秘密の中の秘密であり、
    つまり生と死、光と暗黒、存在する物と存在しないものの間に在る。

   人種の支配者、   遠くより来る者の支配者、
   天孫の支配者でもある主、 神はこの創造に畏敬の念を払う 』


そしてユダヤの地から、エルサレムからの全ての人々が洗礼者ヨハネの所に行き、古くからの神の掟の知識を信ずる事を知り、ヨルダン河でヨハネから洗礼を受けた。

彼ヨハネはラクダの毛皮の衣を着て、腰には皮の帯を締めて居り、彼の食物はいなご野蜜であった。

彼は多くの人々に洗礼を施した。

又、多くのパリサイ人やサドカイ人が、

邪悪なことを言ってヨハネを辱めた。

洗者ヨハネは言った。

『 お前達、まむしの輩よ、

 汝らの誤った教えが見破られる時
    来るべき怒りから、お前達が逃げられると誰が教えたか。

   悔い改めに相応しい実を結べ。
   そして真理を教えなさい。

   
不遜力への欲望財貨への欲望を起す様な
   
間違ったことを教える悪を悔い改めなさい。

   貴方がたは父アブラハムを持つと、
   貴方がたの間で言おう等と考えてはいけない。

  お前達に言っておく。
  神はその知識と力を持って、
  この石ころからもアブラハムを起す事ができるのだ。
  神は創造の秘密を知っているからである。

  既に斧は、木の根元に置かれている。
  だから、良い実を結ばない木は、
  切り倒されて火の中に投げ込まれるのだ。

  まむしのやからよ。
  お前達とその子孫は、力と財貨への欲望をもって
 
不遜と言う間違った教えを自分の中に放って来た事を
  2000年の後に無効にしてもらう事になる。
  そして、嘘は罰せられるだろう。

 
人類が知る事を始め小麦の籾殻を分離する時、
  お前達の間違った教えをあざ笑い、
人類が真実を発見する時

 人類が歌う光と火の車を作り上げ、
 それに乗って宇宙へと世を捨てて行く時。
 神とその使者と天孫達のするごとく。
 神とその従者、天孫達は創造の知恵と知識を教え。

 従うべき
自然の法則と、それに従って生きる事を教え諭すだろう。

 お前達変節者、まむしの輩は
不純な者であり、
 この場所から退かねばならない。

 何故ならば、お前達は
不純な者であり、
 自分達の
間違った教えの中で呪われているからである。

 この場所から退け。
 何故ならば、私は自分の意志で、
 ただ水によってお前達に悔い改めの洗礼を与えるだけだ。

 私の後から来る者は、
 私よりも力の有る人である。
 私は、その人の靴を脱がせるのにさえ十分では無い。
 その人は、
霊の知識真実の火とによって、
 お前達を洗礼するであろう。

 又、手に箕を持ち、 脱穀機を掃き、小麦は袋に集め、
 籾殻は消えない火の中で焼いてしまうだろう。

 つまり、嘘は決して真実に抵抗出来ず、
 
真理火の渦の中で絶滅させるだろう 』

洗者ヨハネの言った通り、見よ、その時、イマヌエルがヨハネから洗礼を受ける為に、ガレリアからヨルダン河のヨハネの所にやって来た。

ヨハネは彼を止め、そして言った。

『 私が貴方から洗礼を受ける事こそ必要です。
    貴方は私より尊いからです。
    それなのに、私の所に来るのですか 』


イマヌエルは、彼に答えて言った。

『 今は、受けさせて欲しい。
    全ての正しい事が成就する事は、私達に相応しい事だ。
    二人共、この世の人なのです 』


ヨハネはその言葉に従い、彼を洗礼した。

 



イマヌエルは洗礼を受けると、直ぐにヨルダン河の水から上がった。

 

すると見よ。

 

金属性の光が天から降りて来てヨルダン河の上に落ちかかった。

それは河の面まで降りて来ると砂を掘った。

その間に、金属性の光からの声が言った。

『 此れは私の愛する息子、
    私の意に叶ったものである。
    彼は真実の王であり、
    この人類の知識を高める者である 』

 


見よ、この言葉が終った後、

イマヌエルはその金属性に光る物の中に赴き、

それは火と煙の中を天に昇って行き、

生命の無い海の彼方へ滑走して行き、

その金属性の光る物の歌も聞こえなくなった。

イマヌエルは40日40夜、もはや見られなかった。