【シオンの議定書】#24
□ダヴィデ王(?)の地固め□王の修業□直系相続の保留□王と3人の賢者 □王は宿命□ユダヤ王の完璧性
次にダヴィデ王朝の土台を世界最後の段階まで一層強固にする方法に進もう。
この方法は、何よりも第一に、今日まで世界の全問題を遂行し、全人類の思想教育を指導してきた我等の賢人長老達が積み重ねてきた伝統的な方法によるものである。
ダヴィデ王の子孫の内の数人が、相続権ではなく優れた資質を基準にして王と後継者を選定する。
その人々には、政治の最高機密と政府の仕組とが伝授されるが、常に何びとにも極秘の知恵が漏れない様に留意する。
この方式の真意は、この様な秘義を授けられた事がない者には、政府を委す事はできないという事を徹底させる事にある。
これらの人々にのみ、何世紀にもわたる諸経験と比較しつつ、私がこれまでに述べた様な計画の実際化や、政治経済運動や社会科学研究の全成果・・一言で言えば、人間関係を律する動かしがたい天然法則の大真理・・が伝授される。
直系の子孫が王位継承から外されるのは、秘義伝授の過程で浅薄・軟弱その他、王の権威破滅となる資質が明らかになった場合である。
その様な性向は統治者には不向きであり、王宮においては危険な人物となる。
例え残忍であったとしても無条件に断固たる人物のみが、我等の賢人長老達から支配統治の手綱を渡されるのである。
病気に罹ったり精神障害があったりその他王たるに相応しく事があった場合には、王は律法に従って統治の手綱を相応しい者に譲らなければならない。
通常の時間における王の行動計画と将来に関する事は全て、最も親しい助言者達にも知らされない。
王と3人の顧問のみが、将来の計画を知っている。
断乎とした意志で自分と人類を律する王の人柄には、万人が神秘の宿命を認めるのである。
何びとも王が何を行おうとしているのかを知らぬので、あえて知らぬ小路を遮ろうとする者はいない。
王の頭の中には実行すべき政府計画を理解するに足りる知恵が貯えられていなければならない。
王位に就く前に、前に述べた賢人長老達が試験を行うのは、そのためである。
人民が王を敬愛するのは、王が市場などで人民に意見を述べる事を欠かさいからである。
現在では我々が両者の間に恐怖の溝を作って引き離しているが、双方を結びつける必要がこれで満たされる。
この恐怖は、時が至るまでは、両者を我々の影響下に置く為には必要欠くべからざるものである。
ユダヤ王は自分の感情、取分け情欲の虜になってはならない。
王は自分の人格のどの一面でも、荒々しい本能に精神をしのがせる事があってはならぬ。
情欲はいかなる精神的な欠点よりも、明晰に見る力を殺ぎ、思考を人間の性質中最悪の獣的なものに落とし込む。
ダヴィデの聖なる子孫である全世界統治王その人は、人類の支柱であり、人民の為にはいかなる個人的希望をも犠牲にしなければならない。
我等が至高の王は完全無欠の権化でなければならない。