　セクトのトリプリシティーからの判断

　セクトのチャートから、セクトリーダーのルミナリーを選びます。昼なら太陽、夜なら月です。そのルミナリーの入ったサインのトリプリシティーを観察するプロセスが、次に行われる判断の1つです。が、これはいろいろな箇所で話されている事柄なので割愛し、ロットの話に移ります。
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　ロット（オブ・フォーチュン、又は、アラビック・パーツ）

　ネイタル占星術では、ロット、あるいはアラビック・パーツと呼ばれる計算で出てくる位置が使われます。これは何でしょう？『古典占星術』の中でも使われていながら、これまた説明が中途半端になっています。先生に聞いて下さい。ですが、正確な知識は古典的な文献の中にも出ていません。じゃあ、いったいどうしたらいいのか。これも、サインの意味や、ネイタルチャートの古典的な判断方法に続き、再構築されつつあるものです。

ロットはひじょうに “占いらしい”、“占いのためのもの” としか思えない、理路整然としたものではありません。プトレマイオス（トレミー）も『テトラビブロス』の中でロット・オブ・フォーチュンに限り書き留めています。それでも、説明できないものを良しとしなかったプトレマイオスは、ロットの意味や定義を書物に書き込んでいません。

ヘレニスティックな占星術には、ロット以外にも、文献類はありながら、どう使ったらいいのか、どう使われていたのかが分らないものが結構多いのです。再構築するにしても、どこから行えばいいのか、研究や探索はそこから入って行きます。幸いにして、これまでにも大勢の人たちが、切り口を探り当てようとしてきました。

ネイタルのチャートの判断方法には、セクトが大事な概念であった…　なんていうのも、ここ十数年来にようやく甦って来たばかりの捉え方です。英文の本を読むしかありません。

ロットもその1つです。計算式も、若干違っていますし、同じ計算結果になるのですが、捉え方が違うので、数式の順番が違います。四則演算ですから項を移動するのは簡単ではありながら、古典的な数式には明らかに意味が込められていました。昼と夜の計算式を、変えるのか ⇔ 変えないのか、などの疑問もありました。ここへきてセクトの概念を考慮すると、当然、昼と夜は変えると判断できます。セクト・ライトから、アウト・オブ・セクトのライトまでの距離をASCから投影することになります。昼であれば、太陽 → 月までの距離（180°を境にして）を、ASCから同じ方向に投影することになります。

数式にすると、（月－太陽）＋ASC となります。カッコ内を先に計算します。

言葉で説明すると、却って分からなくなります。図がいいでしょう。

太陽から月までの距離をASCから投影します

左図は太陽から月までを180°よりも小さい右回りで測り、右回りに投影します。

右側の図は、太陽から月までの距離を左回りに測り、左回りに投影しています。

ネイタル占星術 ロット・オブ・フォーチュン

ネイタル占星術　ロット・オブ・フォーチュン