　ここに書くことは、古典的な占星術のテクストに載っているわけではありません。

あくまでも、仮定の話です。しかし、ひょっとしたら、このような考え方でセクトが構築されたのではないかと推論したくなるものです。

ヘレニステックな占星術が、それより以前の天文学的なデータや、星を使う占いをベースにして構築されたのは、紀元前150年前後のことです。私たちが現在行っている西洋占星術の原型が「ヘレニスティックな占星術」と呼ばれるものでそれほど古いわけではありません。しかし設立の当初から、セクト、トリプリシティー、4つのエレメント、サインのルーラー、12のサイン、12のハウス、イグザルテーションのルーラー、ロッツ等々、今日行われている基本的な要素が揃っていた占星術です。定義はされていませんでしたが、リセプションもありました。同じく定義はされていませんでしたが、ディグニティーも存在しました。アスペクトという単語は当初からありました。

当時は幾何学が、神の領域のもののように美しく数学的なバランスを取る物として、もてはやされ、とても重要視されていた時代でした。西洋占星術の要素の中で、幾何学的な影響を受けているものにパート、あるいはロットと呼ばれるものがあります。なかでも、パート・オブ・フォーチュンは有名で、ほとんどの西洋占星術のチャート（ホロスコープ）に記されます。⊗ の形で表される代表的なロットです。この場所とASC、そして太陽と月を結ぶ線は、等脚台形台形と呼ばれる形になります。

こういった幾何学的な形を追っていくと、セクトにも似た要素がでてきます。下図2枚をご覧ください。ASCが♋のサインとなるテーマ・ムンディ「世界の誕生のチャート」と呼ばれる占星術における教育的なチャートですが・・・　

火のサインと、水のサインのトリプリシティーを結んでみたら

地のサインと、風のサインのトリプリシティーも結んでみると

　月を含む三角形は、地と水のトリプリシティーで同じものを使用しています。トリプリシティーの全てが、テーマ・ムンディから相似形の三角形で導き出されます。綺麗に作図すれば、30°と60°と90°の直角三角形が四つとなります。

だから、どうだ、というわけではないのですが、こうすると月がアセンダントに相応しくなります。太陽がアセンダントだとこうはなりません。幾何学的にどうなのという考え方も今のところ何も湧いてきません。

ただ見ているとちゃんと火・地・風・水のトリプリシティーがそろうな、というだけです。

トリプリシティーとセクトの間には、ある種の関係が見てとれます。

昼（幾分ホット）のセクトの惑星は、火のサインのロードである、太陽と木星と土星です。風のサインもホットなエレメントのサインで、そこには太陽の代わりに水星が入れ込まれます。

夜（幾分コールド）のセクトの惑星は、コールドなエレメントの、地のサインや水のサインのロードです。それらは、月と金星と火星になります。

セクトとエレメントの関係は、それほど熱く語られているわけではありません。

言われていることは、

昼セクトの惑星は、火のトリプリシティーの惑星がであり、

夜セクトの惑星は、水のトリプリシティーの惑星であるということだけです。しかし、

上記のような図形を見てしまうと、何かもっと深い関係があるのではと勘ぐってしまいます。

ネイタル占星術 セクト

ネイタル占星術　セクト