惑星の査定方法を実践してみた方々は解ると思いますが、ヘレニズム時代の占星術(初期のホロスコープを使う占星術)の考慮事項は暗号のように見えてしまいます。ジェームス・ホールデン訳のレトリウスのCompendiumの54にこうあります。かなり意訳しています。
各項のより観察は手順を踏んで次のように行います。(7まで有り、これはその1)
最初にライツのドリフォリー※1の観察が必要です。それは単純に、良い生まれ
か悪い生まれかを調べることです。
ライツがドリフォリーにあって、それらがセクトにあるか、逆セクトにあるか、
それらは男性格のサインにあるか、女性格なのか、チャートのどのセクターに
あるのかを調べます。
ライツ同士が良いアスペクトを持っている。
ASCに旨く結合されている。
一方が男性的な[セクター]に在り、もう一つが女性的な[セクター]にある
か、あるいはその逆なのかを見ます。
何故なら、これらの位置から考慮すべき影響が導き出されるからです。
更にセクトのライツ(つまり昼なら太陽、夜なら月)・ASC、それらのディスポ
ジターのトリプリシティーのルーラーを調べます。
太陽と月のタームのルーラー、
これら[の星々と共に]どこに在るかも観察します。
続いてロット・オブ・フォーチュンとロッツ・オブ・デーモンのルーラーも調
べます。アンダー・ザ・レイにあるのか、凶星とアスペクトしていないか、ロ
ッツのルーラー同士が互いにオポジションになっていないか、悪い配置になっ
ていないか、何故なら、悪い配置であれば、生まれた子供はまともには育てら
れないからです。ライツが凶星とアスペクトしているなら特にそうなります。
ビシージド、凶星との合、特に同じセクトでは無い二星の場合も。
それと共に、サインのルーラー、タームのルーラーの合やオポジション、トリ
プリシティーのルーラーも調べなくてはなりません。
当初、もう10年以上も前になりますが、私は読んでいるだけで何を言っているのか皆目見当が付かなかったことを記憶しています。分かるけれども何も納得していない自分がいました。解けない暗号に思えたのです。
ヘレニズム占星術は、こういう手順をしっかりと踏んでいったのです。
これらは、惑星の査定を経験した人なら分かります。特に、ワークショップを受けた人達なら分かります。何故なら、もう身に付いているからです。
※1 ドリフォリー。講座を受けた人の中で分からない事があるとすれば、このドリフォリーだけだと思います。ドリフォリーとは護衛のようなもので、惑星が惑星を守っているとされる、ヘレニズム時代から観察されてきた重要な要素です。
チャートの中にドリフォリーが在るか無いかで、単純に良い生まれか悪い生まれかを判断する一つの物差しで、とても分かり易いものです。
1. 通常は太陽か月に限って観察します。
2. もし、アングルにある惑星がサインのロードかイグザルテーションのロードであれば、それも調べます。
1. の場合。太陽に先駆けて上昇している惑星(火星、木星、土星)が、アングルやサクシダントにあって、サインのロードやイグザルテーションのロードであり、太陽とセクスタイル、スクエア、トラインとなっていれば槍持ち、ルミナリーを守る役割を持つ護衛となります。それが見つかれば、そのチャートの持ち主は良い生まれとなります。゛太陽に先駆けて上昇している ”という意味は、下記の図でご理解下さい。太陽が5ハウスにあって、火星がASCだと、まだ地平線の上に火星が出ていなくても、火星はドリフォリーになります。
太陽がASCで、火星がMCにあってスクエアでもドリフォリーです。ただし、セクトを得ているか得ていないかで効果は異なります。火星の場合は、牡羊のサインから太陽にアスペクトするよりも、蠍のサインから太陽にアスペクトしている方が良いものになります。
月の場合はこの逆になります。月に遅れて上昇してくる惑星がサインかイグザルテーションのディグニティーにあって、アングル、又はサクシダントにあって月とアスペクトしている場合、月のためのドリフォリーになります。セクトを得ていませんが、上記の木星は月に遅れて上昇する位置にあり、月とセクスタイル・アスペクトを取り、サインのロードになっていますから、月のためのドリフォリー(月を守る役目)となっています。
上記のチャートでは、火星が太陽のためのドリフォリーであり、木星が月のためのドリフォリーということになります。
多くのヘレニズム時代の占星家の意見は、太陽と月に関しては上記のように一致していますが、プトレマイオスだけは、太陽や月の傍にある惑星がドリフォリーなんだよと述べます。もちろん、サインのロードやイグザルテーションのロードである必要があります。
2. の「他の惑星もドリフォリーを持つことができるのか?」ですが、持つことができます。特にドリフォリーとなる惑星はアングルに在る必要があり、護衛される惑星も強い必要があります。上図、チャートの土星はアングルにあり、木星にアスペクトを取っていますので、土星は木星にとってのドリフォリー(槍持ち・護衛)となります。
また、相互に護衛し合う形も存在することが可能になります。どのような配置なのかを考えてみるのも楽しいものです。
ドリフォリーの形はそれだけで判断されるものではありません。セクトを得ている者同士なのか、逆セクトなのか、ネイティブのチャートが昼セクトなのか夜セクトなのか、アスペクトの種類や緊密度などで護衛の質は変わってきます。強い護衛を雇えるのか、雇えないのかのような感覚です。

