2025年12月25日。クリスマス

朝の6時バイオレットの空にカラスの掠れた声が響いていた。


窓を開けると新しい風が部屋にスッと入ってきた。


目を閉じて、深く深呼吸し

今、この瞬間はとても大切で二度と出会えないからと。


寒波が来るとニュースで繰り返し報じられていた。


自死遺族となり

やっとクリスマスイブと向き合えそうだ。


自死遺族になってから

“うるさい”と拒絶した鈴の音は今記憶を裏返した。

幼い頃、カトリックの幼稚園で鈴を持ち鳴らすベルのように、

あの無垢だった頃の自分へと

気持ちへと変わり始める。

あの時の歌が心に響いた。

サーイレンナーイト

ホーリーナイト 

真っ白な天使たち羽をつけて

ロウソクを握る手はとても小さくその中に自分がいた。


ゆっくりと起き上がり温かいココアを自分のために作る。

コンロがカチカチと秒針のように鳴り1人の部屋に広がり、火加減をしゃがんで見ると、誕生日ケーキの蝋燭のように青い火が輪になり揺れた。


生き続けるために私は季節を感じるように意識している。


「幸せにさよなら」していた。

もう、あの頃へは戻れないと

思い込んでいた。

どんな時でも温かい記憶は

そのままで消しても消せはしない。


だから、安心しておやすみと

今ならいえる。


ただ素直に、向き合う

それが一番難しい。

大人になってしまったからなのか?

鏡のようにあなたが私を映し返す。

もう意地を張るのはやめてよ。

寂しいだけで

肩に力を入れないで

寒いだけだよと。


気がつけばどんな刺激もあの時の傷の気配がした。


もう、あの頃のようになれないと自分で縛るのは悲しいだけ。


1人でどんな時でも生きてきた

小さな光を希望に。


だから、今なら素直になれる。


今日という日をくれた自分に

「ありがとう」と窓に手をつき

深呼吸をした。