ヤバい、気が付いたら鑑賞から一週間経っちゃったよ
西川美和監督の新作ということで観てきました。
『すばらしき世界』
西川美和監督の作品は観ご和えがあるものが多く、好きな監督の一人。
その西川監督の久々の新作だし、
主演が役所広司さんということで、公開を知った当初から楽しみにしていました。
ストーリーは~
下町で暮らす短気な性格の三上(役所広司)は、強面の外見とは裏腹に、困っている人を放っておけない優しい一面も持っていた。過去に殺人を犯し、人生のほとんどを刑務所の中で過ごしてきた彼は、何とかまっとうに生きようともがき苦しむ。そんな三上に目をつけた、テレビマンの津乃田(仲野太賀)とプロデューサーの吉澤(長澤まさみ)は、彼に取り入って彼をネタにしようと考えていた。
この作品は佐木隆三の小説「身分帳」を原案に描く人間ドラマ。
人生の大半を刑務所で過ごした男性の出所後の話になっています。
この三上という男性、普段は大らかで困った人を放っておけない性格でもあるけど、一度スイッチが入ると豹変する。
そんな二面性のある彼とそれを取りまく人たちの話でもあるんだけど、
先日観た『ヤクザと家族』に通じるものがある
ということでその延長線上で鑑賞してましたが、派手さはないけど、この作品にも違った良さがありました。
三上自身、確かに犯罪者であるけど、普段の三上は不器用にしか生きられない人間にしか見れないし、今の社会、裏社会の人間だけでなく、普通に生活している一般人にとっても生きづらい世界。
そんな世界の中でもちょっとした素晴らしさはあるもので、
取材の対象でしかなかった三上と徐々に心を通い合わせるテレビマンの津乃田。
最初は世間一般の人と同じように犯罪者としてしか見ておらず、誤解から始まった関係だけど三上を気にかけるスーパーの店長。
マニュアル通りの対応しかできないけど、やはり三上を導く存在でもある役所の職員の人など。
ちょっとした優しさを見つけただけで世の中、まだまだ捨てたもんじゃないと思えてくる。
思いがけない終わり方だったけど、確かに素晴らしい世界もそこのはありました。
個人的には『ヤクザと家族』と両方の鑑賞をおススメします(笑)