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朝から雨が 降った日は
心の中が シンとして
忘れたはずの 思い出が
ひっそりと 顔を出す

知らん顔して
とぼけても
幼い顔で
私の心を 覗き込む


私が落とした
小石を知らない?

キラキラ光って
私の手から滑って行った

私の小さな宝物

深い深い 井戸の中
音も立てずに
滑って行った

「小さな 魚が、見たって言った」

高い高い 空の上
流れる星のように
飛んでった

「小さな鳥が見たって言った」


生きていれば

楽しいことも
つらいことも
あるんだよ


それは
別々にあるんじゃなくて
常に 一緒にくっついて
手をつないで いるんだよ

でも、それは
たまにしか
思い出さなくて
いいんだ

だから 笑って
ちょっとで いいから
そっとで いいから