『…、俺…この仕事を辞めたい』
「どうしたのさ、急に」
ポツリと呟かれた言葉に驚いた
『疲れちゃった…』
震えるような声で喋る彼を見ると、そんなにも追い詰められていたのかと不安になる
「そんなに嫌?」
『俺には向いてない』
「辛いのが嫌?」
『誰だって…きっとそうだ』
「僕が、嫌い?」
『……』
最後の質問に、思わず目をぱちくりとさせて彼は驚いた
「僕が嫌いになった?」
『それは…』
ぐっと息をのんでこらえた言葉を隠すように出てきたのは
『……嫌い、嫌い…だ』
「嘘を言うのがそんなに辛いなら言うな」
ぽたぽたと泣き出す彼の頬に手をあてて、涙を拭う
「嫌なら辞めればいい、だけど…僕の側からいなくなるのだけは許さない」
『…』
「勝手は許さないよ」
ぎゅっと抱きしめて
体温を確かめた
今にも消えてしまいそうなほど儚い彼を逃がさないように
『大好き』
「うん」
『大好き…』
「知ってるよ、それぐらい」
『嫌いなんて言ってごめんな』
「僕を好きでいてくれる気持ちがあるならそれでいい」
それで
いいから