午後5時、夕方。普段と何も変わらない。本当に日本は平和だ。

階段を上がる音がする。またいつものか…

ドタドタバタドタ!
ガラッ。
『ドラえも~ん!!またジャイアンにいじめられたよ~仕返しする道具だしてよ~(泣)』
「ほんとのび太君はしょうがないな…いつも人に頼って…」
『そんなぁひどいよドラえもん。友達じゃないかぁ…』

…


「もう、今回だけだよ。」
『さっすが!!ドラえもん!』

「はいっ」
チャラララン♪

「なっしんぐ~(笑)」


…


キュピーン!!
その時である、のび太の2つの眼が怪しい光を放った。そして、次の瞬間。
『ホゥワタタタ!アタタタタタタタタタタタタタ!アタタタタタ!アタタタタタ!ホゥワッチャー』
のび太の突きという突きがドラえもんを襲った。その一つ一つが猫型ロボットの急所を寸分違わず捉えていた。

「ボゴフっ」
青い体が、虚しく宙に浮いた。まるで、紙風船のようだ…
そして…

ザスンッ…

畳に打ちつけられた。どうやらまだ息はあるようだ。
「のび太君…つ…ついに、力を解き放…今の君では…まだ…あやつれ…」
『はっ!?』
のび太の目が普段の目に戻った。
『僕は何を!?ど、ドラえもん!?どうしたんだ一体!?』

「のび太くん…やっと戻…ったか…これが君の本当の力…これからは、ぼ…ぼ…くの道具も…必要ないだ…だ…ダダDADADA…ピピガガ」
スンスンスンスン…
ドラえもんからモーター音が消えた。いつも、寝てる時、うるさいうるさいとけなしていたあのモーター音が消えた。僕にとっては子守歌だったモーター音が今、消えた。そこにはただの青い鉄クズが転がっていた。

『ぁ…あ…あ…ドラえもんっ!しっかりしてよ!ドラえもん!』

のび太は慌てて駆け寄り、オイルまみれの両手でその鉄クズを抱えた。

『クソっ!どうしてドラえもんがこんな目にっ!クソっ!クソっ!許せない!ジャイアンの奴!』
のび太の心はジャイアンへの怒りで溢れていた、さらには、今までさんざんいじめられてきたことへの恨みや憎悪がフツフツと込み上げきた。怒りが恨みを、恨みが憎しみを、憎しみが怒りを…もはや手のつけられない状態になっていた。もはや怒りで体が小刻みに震えるとかそんなレベルではなかった。

『許さない…絶対に許さない…ウォォォオオオオオオオオオオオオオ!』

たった今のび太の復讐の旅が始まった。