12月、茶道では炉の季節になるのであろうが。 生憎うちには炉のしつらえは無く
年中風炉を使ってお茶を点てている。
もともと譲り受けた風炉を駄目にしないように使う事から始めたのだから、それでもよいのだが
この季節になると炉にしてみたい願望も、持ち上がってきたりする。今のところ此のままである。

久々にお茶を点てる事にして、道具を引っ張り出してみた。

今回は遠州流のお道具である高取静山の作。高取焼の掛け分けの茶碗と水指である
▼十一代高取静山(八山)
高取焼宗家10代富基の長女として生まれ、一時東京で生活するも父と共に高取窯再興(廃藩置県などで9代の頃、窯が廃絶)に着手。父の没後、1958年に初窯開きとなり61年には第1回個展を三越本店にて開催、また、これを機に遠州流宗家十一代宗明宗匠に陶号「静山」を賜り、以降11代高取静山として各地の百貨店個展を中心に伝統の高取焼茶陶を展開、高取焼中興の祖とされる。
    
 静山さんの作りは薄手でろくろ目がとてもきれいだ。掛け分けの具合も秀逸。
 
  
 遠州流宗家12代宗慶さんの花押がある。 遠州好みのお茶碗。 高取静山の印も共に。
  
 宗慶さんの箱書きに申辰とあることから昭和39年の物とわかる。
共箱の下部の組紐の通しが丸穴になるのが、遠州流の特徴だ。
  
   
   
 水指もとても繊細で清楚な感じ。作家が女性であるためであろうか。
  
 12代宗慶さんの実弟 戸川宗積さんの箱書きがある。共箱も遠州流のもの。

お茶碗がうちに来て、しばらく経って何の縁か水指が遣って来た。
面白い事に、箱書きで兄弟揃い踏みになった。