はるくんを亡くしてから、やっておけばよかったと思うことがいくつかあります。





その一つに、救急救命のやり方をきちんとおさえておくこと





冷たくなったはるくんを発見したのは朝7時半ごろ


死亡推定時刻は前夜11時頃のため


朝の時点では救急救命のやり方を知っていてもどうにもならなかったということは分かっています。









あの日の朝、私は必死でした。


とにかく息をしてほしくて


冷たい身体が温かくなってほしくて





うろ覚えの心肺蘇生法は、大人向けの方法でした。


そして、いくつか誤ったやり方で行っていました。


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①ソファの上で胸骨圧迫を行ってしまったこと

 →下が柔らかいと十分に力を加えることが出来ません


②1歳未満のわが子に対して、両手で体重をかけて胸骨圧迫を行っていた

 →1歳未満の子に対しては指二本で圧迫する程度で十分です


③人工呼吸の回数や胸骨圧迫の回数が曖昧だった

 →通常、人工呼吸2回、胸骨圧迫30回(1秒間に100回のテンポで行います)ですが

  あの日私がどうやっていたのか覚えていません


④人工呼吸の際吹き込む息の量が恐らく誤っていた

 →入れすぎると胃が膨らんでしまいますので、軽く膨らむことを目視する必要があります


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この過ちは、後々知ることになりますが


正しい心肺蘇生法を習った記憶はありませんでした。


でも、それって、私が自ら知ろうとしていなかったし


他人事だと思っていたために学ぶ意欲すら持っていなかったから


恥ずかしながら待っているだけの母親だったのです。















はるくんが亡くなってから、次に授かる子に何かあったときのために


乳幼児救急救命の講座を受けたいと強く思っていました。









そして今回、地元のプレママ・ママのためのイベントでこの講座が開かれることを知り申し込みました。


夫も思いつきで有給を取ったので、参加してくれることになりました。


・・・ママのためのイベントなので男の人一人だったんですけどね(笑


メンタル強いです。










学生の頃受けた講座とは意気込みや真剣度が違いました。


それは他のママさんも同じでした。本来こうなんだよなぁという学びの場所を感じました。


夫も真剣に受けてくれました。(ちょっと座学は眠そうでしたけど、実技もちゃんとやってくれました)


また、AEDの使い方も初めて知る機会となりました。







脳に酸素が5分届かないと脳が死んでしまうということも教えていただきました。


仮にあの日の朝、いや、寝る前に気づいていたとしても


はるくんの心臓が止まり、5分以内に胸骨圧迫で脳へ酸素を送っていなかったら


脳死となってしまっていたのでしょう。






あの朝、心配蘇生法をしながらも


このまま息を吹き返しても障害が残ってしまうのではないか


この後の人生に大きく影響しないか


何故私達は気づけなかったのか


そんなことを思っていました。




今となってはすべて遅かったのですがね。


その余計な邪念さえも私は自分を恨み、悲しくなりました。



生きていてさえくれたら・・・と。










講師で来られた救命士の方と少し話をする機会がありましたが


そもそも乳幼児の救急搬送で一番多いのは不慮の事故


その中で心肺停止の状態というのはほぼ原因不明のものだそうです。


SIDSもごくたまにあるようで・・・


そして、その通報で蘇生する子は今のところ居なかったとのことでした





原因はやはり、いつ心肺停止になったのかが不明であり


処置が遅くなってしまうため


手遅れになるパターンが多いと言います







一つ伺ったケースは、1時間前には元気にしていたのに


家事のため昼寝させていたら


その1時間の間に心肺停止になっていたということ


その母親は看護師で、救命士が駆けつけたときも冷静な対応で


心肺蘇生を行っていたそうですが


そのまま亡くなってしまったようです。









いろいろなケースを聞きますが


やはり、今回のように救命講座を受けていても


残されたものがどれだけ後悔をしても


SIDSや原因不明の心肺停止で大切な人を亡くした方は、発見したりそばにいた方のせいではなく


命の終わりはやはり決められたものなのかもしれないなと思ってしまいました


(誤解をうんだらすみません、悪い意味ではないのです)


神様との約束なのでしょうか








どんな考え方をしても


どうしてうちの子が?私があぁしていれば、気づいていればどうにか出来たのではないか?


その思いはぬぐいきれません
















ただ、今回のはるくんの事で


明らかに私と夫には変化がありました。








夫は子供に関する関心、親として知っておきたいことを学ぶこと、それに対する姿勢が変わりました


はるくんを亡くすまで、絶対にこんな講座にはこなかったのに。


他人事から当事者へ


本当はなりたくなかったけど


次の子を望むにあたって真剣に考えてくれるようになりました。




私は自分の死に対する考えがかわり、いつかはるくんに会えるのだと希望を持ったり


見守ってくれているのだと安心できるようになったりしました。


弟か妹を産みたいという思い


そして、より健康に育って欲しいと、栄養学やワクチン・添加物・放射能等の情報にとても敏感になり


セミナー等も受けるようになりました











はるくんは7ヶ月10日、お腹の中を含めると+41週この世に居てくれました。


(・・・私の卵子という意味では、私が母親の胎内に居た頃からずっと一緒だったのですけれども


それはそれで長い付き合いですね)


居なくなったことは寂しく残念で悔しくてどうしようもないのですけれど


今回の経験でいろんなことを気づかせてくれました。







本当に、生まれてきてくれて、ありがとう。はるくん。