日本の臓器提供の同意率は10%。

一方でオーストリアやフランスといった様な国では、臓器提供への同意率がほぼ100%です。

これを国民性や文化で片づけるのは少し安直で、これには黒い戦略が隠されています。

〈臓器提供の同意率〉日本はわずか10.2%だが、フランスはほぼ100%…その「予想の斜め上」を行く“理由” | ゴールドオンライン

 

臓器提供への同意というのは、脳死を人の死と捉えて臓器を提供するかどうかを決める制度なのですが、この制度には大きく2つあります。

 

一つは、アメリカ、ドイツ、韓国のように本人が生前、臓器提供の意思表示をしていた場合、または家族が臓器提供に同意した場合に臓器提供が行われるOPTING INという制度。


もう一つは、イギリスやフランス、スペインなどの本人が生前、臓器提供に反対の意思を残さない限り、臓器提供をするものとみなすOPTING OUTという制度です。

 

言い換えると、臓器提供をしないことがデフォルトになっているのが、[OPTING IN」で、臓器提供をすることがデフォルトになっているのが「OPTING OUT」となります。

そして、同意率の低い日本は[OPTING IN」、同意率の高いオーストリアやフランスは「OPTING OUT」を採用しています。

 

人間には「現状維持バイアス」という、今の状態からは変えたくない・変えるのがめんどくさいという思考のクセがあります。

つまり、臓器提供をすることがデフォルトになっていると、それを「臓器提供をしない」と変えたがらないんですね。


臓器提供のような深い内容の場合は、臓器提供をすることをデフォルトにしていいのか?などの倫理観の話もなりますが、これはビジネスの世界でも往々にして使われています。

 

例えば、「メールマガジンを受け取る」の✅欄にはデフォルトで✅が入っているかと思います。これによって、メルマガを受け取る人を増やしているんですね。

これがデフォルトでは ✅が入っていないと、メルマガを受け取る人の数は大幅に現場するでしょう。

デフォルトの設定1つで相当大きな変化が出ます。


僕の将来の夢であるリゾートホテルの予約サイトで考えると、デフォルトに「朝食」「アクティビティ」「送迎」などを入れておき、いらないものは抜くという設定にすることが考えられるなと思いました。

 

後はホテルにデフォルトで新幹線などの移動も組み込んでおくとか。

いろいろ考えられますね。

 

オールインクルーシブは贅沢感を感じさせるサービス形式ですが、それとは少し違った満足感と人間の性質を取り入れたサービス形式になりそうですね。

 

それでは、良いデフォルトライフを!

 

#デフォルト #臓器提供 #現状維持バイアス #行動経済学

 

参考文献

世界の臓器提供数(100万人当たりのドナー数)|日本臓器移植ネットワーク