人は比べる対象がないと、それが優れているものなのかそうでないのかを判断することが出来ません。

これを「単独評価」と「並列評価」というのですが、それぞれの場合で人の評価軸(買うのか買わないのか)は変わります。

単独評価というのは、2万円の炊飯器が1台のみが売られている状態です。ここでは2万円が高いのか安いのかが分からないので、人は見た目などに重きを置いて判断します。

 

 

一方、並列評価というのは、2万円の炊飯器と3万円の炊飯器が売られている状態です。この場合は、人は金額に重きを置いて判断します。

さらに、この並列評価という人間の評価軸を利用する方法として「おとり効果」というものがあります。これは、2万円の炊飯器を売りたいときに敢えて4万円の炊飯器を横に置くという手法です。

この結果、4万円の炊飯器と比べたら2万円の炊飯器は安いし機能も十分だという判断から、2万円の炊飯器の購入に至るという訳です。

 

これと似た効果に「アンカリング効果」というものもあります。
アンカリング効果とは、最初に提示された数値などが基準になり、その後に続くものに対する判断が非合理的に歪んでいくという理論です。

 

このワインは1本5万円です。購入しますか?と聞かれたグループと

このワインは1本1万円です。購入しますか?と聞かれたグループでは、

「購入しません。」と答えた後に「それならいくらなら購入しますか?」という質問に対する金額が大きく異なります。
最初に1本5万円と伝えられていたグループの方が高い金額を提示するという事です。これは、ワインに対しての知識が薄いことと、ワインの価格帯が幅広いことが大事な要素です。

つまり、コンビニのおにぎりやコーヒーなど、おおよその金額を記憶している馴染みのある商品の場合は、このアンカリング効果は効果が薄くなります。

世界に発表されたころのIphoneや、高級料理、リゾートホテル、高級車などはアンカリングが起こりやすいと言えるでしょう。いわゆる「ラグジュアリー」に属するものに対しては効果がありますね。

 

これに関係ないようで関係あるデフォルトの設定については次の記事で。

オーストリアの臓器提供率99%にも関係する、政府が取り入れている行動経済学です。

 

それでは、良いアンカリングライフを!

 

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