心理学の世界には「レッテル貼り」という言葉があります。
レッテル貼りの本来の意味としては、何かが苦手な人や嫌いな相手に対して「あなたはこういう人だ!」と決めつけてしまうということです。
使われやすい言葉としては「のろま」「几帳面」「怒りっぽい」「態度が悪い」などがありますが、人は一度その人にレッテルを貼ってしまうと中々そのイメージを払拭できないものです。
自分の中だけならまだマシですが、これをそのまま人に伝えてしまう人も多いです。「あの人は怒りっぽいから気を付けた方がいいよ~」といった様に。
それを聞いた人は、同じようにレッテルのイメージを中々払拭できないので、その人のことを色眼鏡で見てしまうことになります。
それくらいレッテル貼りには強い効果があります。ただ、このレッテル貼りは「マイナスの使い方」だけでなく、「プラスの使い方」をすることも出来ます。
◆良いイメージでレッテルを貼る
先程までは、自分の中で相手に対して悪いイメージのレッテルを貼ることについてお話ししましたが、良いイメージのレッテルを相手に直接伝えると「プラスの使い方」をすることが出来ます。
例えば、「Aさんっていつも手伝ってくれたりして優しいですよね~」とAさんに直接伝えたとします。
Aさんに「手伝ってくれる」「優しい」というプラスのイメージのレッテルを貼るという訳です。
これを言われた側は、そう思ってくれているイメージを壊したくないという心理が働き、より手伝いより優しくいようと考えるようになります。それも無意識のうちに。
これは調べてみると結構面白くて、恋愛のシーンや会社での先輩後輩関係などで登場しているそうです。
◆気を付けないといけない点
レッテル貼りは効果が強いだけに気を付けて使わないといけません。使うだけでなく、自分の身を守ることも大切です。
自分が人にレッテルを貼ることが出来るのであれば、自分が誰かからレッテルを貼られている可能性も大いにあり得ます。
小さいころに「女の子なんだから、◯◯◯しなさい」「お兄ちゃんなのだから、◯◯◯でなければいけない」と言われたのもレッテル張りです。
それだけでなく、「高校・大学には行くべきものだ」「お金は貯金しないといけない」と社会全体としてレッテルを貼られているものも多く存在します。
ポジティブなレッテルならイイですが、ネガティブなレッテルは感情に大きな影響を与えます。自分がその加害者になっている可能性もあるので、無意識のうちにレッテルを貼ってしまっていないかを確認する癖をつけるのは大切だなと思います。
反対に、当たり前だと思っていたけど、周りのイメージや当たり前に流されているだけで、本当は間違っているんじゃないかと「当たり前を疑う力」も大切です。
最後に一つ当たり前を疑う面白いと感じた例をお話しします。
以前、「絶対に車の免許は取らないし、車にも乗らない」という人がいました。
周りからしたら「時代遅れの人だな~」と感じるかもしれません。
ですが、その人が言うには
「車に乗っていることの方が信じられない。あんな細い線一本を跨いで、大した訓練も受けていない人が100kmもの速度で対向車線を走っている。事故が起きるに決まっているのに、乗っている人の方が信じられない。」と。
一見時代遅れに思えるその考え方も、理由を聞けば正しくも思えます。
このように、当たり前を疑える力はこれから大切になるだろうな~と感じた出来事でした!
一度、身の回りで当たり前になっているものを見返してみると面白いかもしれません!
それでは、良いレッテルライフを!
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