いつも、ありがとうございますぅ。アパレルに特化した人財会社インター・ベルの山口です。
伊勢丹話が続いたところで長年、伊勢丹について疑問に思っていた事を総括したくなった。それはもちろん「伊勢丹な人々」の功罪だ。
「伊勢丹な人々」は川島蓉子女史の迷著で、刊行当時は何と軽薄な内容かと嫌悪したものだ。
その後の伊勢丹出身者の活躍?を検証した上で「伊勢丹な人々」を私なりに定義するなら、『裏付けの無い自信と優越感を振りまいて会社を顧客から乖離させる危ない元伊勢丹人』と言う事になるのだろうか・・・・・もちろん、現場経験豊富で堅実な実務家もおられると思うが、00年代に派手な動きが注目された方々は皆、あまり好ましい結果は残されなかった。
私の経験則では、小売業の改革に当たっては過去の成功体験に固執するより、当該企業の顧客と現場力を直視して現実的なカイゼンを積み上げる方が確実な成果に繋がると思う。
顧客と現場力の関係を地に足付けて見通せば、何が突破口になるか自ずと見えて来る。
それを曇らせてしまうのが過去の成功体験で、『勝てる時代に勝てる立場に在った企業の成功体験』など邪魔にしかならない。
伊勢丹という企業に突出したノウハウがあったかどうか、小倉や吉祥寺の撤退、JR大阪三越伊勢丹の歴史的惨敗や三越銀座店の初年度予算割れという結果を見る限り、『勝てる時代に勝てる立場に在った企業』に過ぎず『負け戦を押し返す力量のある企業』とは到底言えない。
当然ながら「伊勢丹な人々」に突出した力量があるという類推も難しい。
むしろ「伊勢丹な人々」の裏付けの無い自信に振り回されて企業が顧客や現場から乖離し、残念な結果を招く事が多かったのではないか。