いつも、ありがとうございます。アパレルに特化した人財会社インター・ベルの山口です。
近年、駅ビルや百貨店で「汚い売場」が多くなったと感じるますが、その要因は52週MDの蔓延にあるのではないでしょうか。
52週MDは品番単位の販売動向に週毎に対応するもので、確かに在庫回転効率は高まるものの、直近運用に依存して計画MDの精度が疎かになるという弊害も指摘される。
ユニクロのように計画MDを遂行すべく品番単位の週別販売進行を予測してキックオフや販促を仕掛けるというのならともかく、52週MDに依存する多くのブランドは期中QR比率が計画MD比率を上回るのが実情で(期中QR比率が7割という酷いケースも聞く)、短期開発のQR商品が氾濫してルックやカラーのストーリーが崩れ売場が汚くなるのだ。
これでは在庫回転や売上が多少、向上しても、中期的にはブランディング上のマイナスの方が上回るのではないか。
月度/シーズンの計画MD比率と消化回転のバランス点は計画MD比率6~7割で、過半を割り込むと「汚い」感が強まってしまう。
最近の店頭を見ていると国内ブランドでは「汚い売場」が7~8割方だから、それだけ52週MDが蔓延しているという事なのだろう。
欧米やアジアのブランドビジネスでは計画MD完遂によるブランディングが至上で、これほど52週MDが蔓延して「汚い売場」が氾濫しているのは日本だけではないか。
アジアでは52週MD依存の売場は「市場」にしか見えないから、「汚い売場」のまま進出しているブランドはMD運用とVMDを抜本的に見直すべきだと思う。