アパレル通信  -百貨店はオフプライスストアに出よ! - | ファッション業界転職 販売職専門人材会社インター・ビュー

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山口 芳明 の奮闘記

いつも、ありがとうございます。アパレルに特化した人財会社インター・ベルの山口です。


日本百貨店協会に拠ると全国百貨店の去年11月までの累計売上は2.4%減少しており、通年でも6兆1000億円前後と前年を割る事となった。


百貨店売上は15年連続して減少する事になり、ピークの91年の9兆7130億円からは62掛けに落ち込んでしまう。

低価格専門店や駅ビルなどとの競合激化がその要因と言われるが、90年代の売上急落局面で自らの高コスト体質を歩率に転嫁し、品質に見合わない法外価格を定着させてしまった事が本質的な敗因だ。


実際その8年間で衣料品の歩率は平均8ポイントも高騰し、納入する大手アパレルの生産原価率も同じく8ポイント(平均32%から同24%に)下落して品質に見合わない法外価格になってしまった。


今や大手アパレルの原価率はさらに低下して20%の攻防になっていると聞くから、お値打ち感など期待する方が無理というものだ。


これでは原価率38%のユニクロはもちろん、ユニクロ以上の原価率でお値打ち品を提供する駅ビル系人気ブランドにお客が流れるのも致し方あるまい。

そんな中でも、駅ビルブランドなどを導入するハイブリッド政策などで運営コストを圧縮し、売上は減少しても利益は増やすという強かさを見せる大手百貨店も出て来たし、アジア店舗の積極拡大で利益の過半をアジアで稼ぎ出すという離れ業を見せる百貨店も見られる。


『意外に頑張っている』というのが素直な実感だが、国内事業に関しては三越伊勢丹が高級化粧品の専門店や空港でのメンズストアを始めるぐらいで積極的な展開は限られる。

百貨店の販売不振はそもそも品質に見合わない法外価格が要因であり、オフプライス販売こそ、それを抜本的に解決する突破口と思われる。


米国では高級百貨店の運営するオフプライスストアが本業を支える事業規模になっているケースもあるのに、日本の百貨店はどうして手を出さないのだろうか。

余程、買い取りが怖いのだとしか思えない。


百貨店ブランドの多くが百貨店でのセール後でも10%以上の残品を抱えてファミリーセールを乱発する現状を考えれば、百貨店/大手アパレル/消費者の三方winwinの事業がすぐにも成り立つはずなのだが・・・・


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