どうもです。山口です。
10月31日の日経金曜夕刊のコラム「ウォール街ラウンドアップ」で、「ユニクロ指数」なるものが紹介されていましたが見られましたか
それによると、5番街に開店したユニクロの価格は連日最高値を更新している円相場と違わず、1ドル=76円で日本国内価格と米国価格がピッタリ一致するそうだ。
ちなみに、ヒートテックの紳士長袖Tは19ドル90セントだが、同レートで換算すると1512円で日本価格の1500円とほぼ同じ。
軽量ダウンジャケットは、79ドル90セントだが、これも同レートで6072円と国内価格の5990円と1%しか違わない。
ユニクロ製品を基準にみる限り、今のドル円相場は釣り合っている。
各国で微妙に異なる「ビックマック指数」より世界同一仕様の「ユニクロ指数」の方が信頼度が高い。と報告していました。
これは、「ユニクロ指数」の信頼度が高いと言うより、ユニクロが戦略的に低価格を設定しているというのが正確でしょう。
事実、そのコラムでも990円ジーンズは、9ドル90セント(同レートで752円)の出血価格だったと伝えています。
米国から日本に進出したアバクロが米国価格の倍近いバブルプライスを付け、あのギャップさえ大差ない法外価格を付けているのに対し、ユニクロの米国価格は極めてフェアプライスと評価すべきです。
とは言え、日本と同価格では38%と推計される国内での原価率を数ポイント上回るはずで、高額なマンハッタンの家賃を負担して収益を確保するのは大変なギャンブルになりかねません。
柳井さんは余程の自信があるのでしょう。
アェアプライスなのは米国だけではありません。
急拡大している中国でもユニクロの価格は日本価格に10%程度乗せただけで、やたらと経費がかかる中国で採算が採れるのかと心配になりますが、営業利益率はうなぎ上りで国内水準に近づいているとか。
詳しく調べた訳ではありませんが、他のアジア諸国でもユニクロは大差ないフェアプライスを付けているようです。
ご立派と言うしかありませんネ。
実はそのフェアプライスが中国やアジアでの急成長の原動力になっているのです。
以前にも「チャイナシンドローム」と紹介したように中国やアジアのブランド商売は割高な掛け値を付けて煩雑に値引き訴求するのが定石で、原価率は16~18%程度と吹っ掛けています。
そんなアジアで原価率38%という真摯なフェアプライスを付けたユニクロは例外的な「フェアマーチャント」(誠実な商人)と認められ、一気に市場の支持を獲得したのです。
今や中国ではユニクロの品質と価格がデフェクトスタンダードとなり、フェアか否かの目安にさえなっているようです。
日本式の誠実商法がアジアはおろか世界中で評価されるのは嬉しい限りです。