どうも、山口です。
秋口のスタイリング傾向をみるに、大きく3パターンにわかれるようです。
OL~キャリアは、レトロ/バナル×フェミニン/ロマンティック/ファンシー、カジュアルはカントリー/フォーキー/ノルディック×ガーリー/メルヘン/クラフト、ストリートはグラム/グランジ/バロック/フェティッシュ×ミニマルモダン。
ストリートの一部を除けば秋口から続くスタイリングの冬移行がほとんどで、ちょっとしたクラフト感やメルヘンなディティールを加えたりミックス感で変化を訴求しているものの等身大な微温湯にどっぷり浸かったまま。
外資SPAの一部ではミニマルなマスキュリンモードも見られますが、マーケットの大勢からは浮き上がって見えます。
目を世界のコレクションシーンに移しても、NY/ロンドン/ミラノ/パリと巡ったSSコレクション報道では前シーズンから継続のレトロ×フェミニン/ロマンティック/ファンシーを基調に、SSの風物詩たるオリエンタルやアフリカン、欧米コレクションではほぼ定期的に盛り上がるミニマルモダン×クチュールなどが氾濫する一方、一部にストリートと共通するバロックやフェティッシュが見られた程度で、サプライズはありませんでした。まだ東京は終わっていませんが、欧米になかったサプライズがあるとも思えません。
落日の20年で東京マーケットはすっかり等身大になってローカル化してしまいましたが、経済危機に瀕する欧州も日本病に陥った米国も、みな冷や汗物で勢いを失い、欧米コレクションシーンからサプライズが出る訳もありませんでした。
一部のコレクションシーンで盛り上がったミニマルモダンなど、元気のない市場に広がるとも思えません。
欧米と比較しても新興国と比較しても、等身大スタイリングが定着した日本はそれぞれにローカル的な盛り上がりがあって結構、多彩で楽しいマーケットです。
欧米や新興国も斜陽の時代に入ればコレクションシーンとは掛け離れた多様な等身大マーケットが形成されるでしょうから、日本は等身大マーケット先進国として大いに注目される事でしょう。