秋の新規導入ショップが出揃った(「CLUB KT」だけは9月22日開店)渋谷109。
まず、不思議に感じたのは、8月31日付けで民事再生法の適用を申請して経営破綻したララ・プランの6ショップが何事も無かったかのように通常営業していた事。
ルミネエストのショップもそうでしたから、最近の経営破綻は債務整理の手続きのようなものなのでしょう。
その一方で、4Fの「リダーク」は8月28日で閉店してしまいましたね。
7Fの「ギルフィー」と「バックス」はまだ頑張っていますがマンネリは否めず、ディレクターの企画力の限界を感じさせます。
どんな天才ディレクターでも一人で二つも三つもブランドを回すのは無理があったのでしょう。
さて肝心の新規導入ショップですが、まず目を惹いたのが4Fの「ガルラ(GARULA)」。
加工とフィットにこだわったグラマラスワーク系の新ブランドで、スレンダーなシルエットと凝った加工感は「マウジー」の妹版かと思わせます。
でも、これはバロックジャパン社ではなくジャパンイマジネーション社が16才の読者モデル藤田杏奈をディレクターに起用して開発したブランドで、同社のODM調達の枠を超えて踏み込んだ物作りが注目されます(多分、「ギルフィー」的開発手法でしょう)。
すっかり大人になった「マウジー」にはもはや期待出来ない初々しい危なっかしさとスリムに徹したフィット、ストリートなダメージ加工はお姉さんブランドを脅かすかも。
もうひとつ目についたのが6Fの「ピンザ(PINZA)」。
ルミネエスト的OLが飛びつきそうなレトロガーリー系キャラクターブランドで、お値段もモデレートとお手頃。お店は若いOLさん達で大混雑でした。
PINZA BIO MARCHE JAPONというおフランス風の会社名には見覚えがありませんでしたが実はこれ、リズリサの元オーナー(今でも20%を所有)が久しぶりに手がけたアパレルビジネスなんだそうです。
店頭で出会った八木オーナーは『旬の感覚を持った若い人たちに乗り乗りにやらせてみたい』と抱負を語っておられました。
この2ブランドに対して、マークスタイラーの手がける7Fの「アングリッド(UNGRID)」と8Fの「ジェイダ(GYDA)」は??という感じで、ちょっと拍子抜けでした。
「アングリッド」はOL向けカジュアルミックスブランドに見えますが、アパーモデレートと安くないのにODMっぽい薄味な商品が多くて若々しい乗りがなく、109には不要という感じ。
「ジェイダ」はグラマラスOL向けのファストファッションという印象で、アメカジからエレガンスまで大混乱のアウトレットみたいなショップでした。
いっち酷かったのが8Fエスカ前の元「WC」があった所に開店した「ムーフープ(moohoop byスピンズ)」でテイストもコンセプトもない安売り店でしかなく、何処から見ても竹下口か横山町のODM仕入れファストアパレル店にしか見えませんでした。
例えつなぎの催事営業店だとしても、エスカ上がった真っ正面にこんな店を配置するTMD(東急モールズデベロップメント)の営業感覚はデベとして常軌を逸しています。109は何処まで堕ちて行くのでしょうか。
今回の新規導入ショップはルミネエストっぽいOLブランドと外れブランドばかりで、109らしい新手の開発ブランドは「ガルラ」だけという惨状ですから、売上の回復は当分望めそうもありません。
渋谷109のリモデルは今回も空振りでしたネ。