アパレルコンサル  -イトーヨーカドーがSPAに再挑戦- | ファッション業界転職 販売職専門人材会社インター・ビュー

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山口 芳明 の奮闘記

カリスマバイヤー藤巻幸夫氏を担いだ百貨店志向のSPA作戦で派手に転けて懲りたと思っていたイトーヨーカドーだが、こんどはイオンの「TOPVALU」みたいなユニクロ志向のSPAで再挑戦して来た。


プレスリリースを見ると企画・開発から生産管理まで貫徹するユニクロ的垂直統合型SPAを志向しているようにも聞こえるが、デザイナーが外部だったり最新トレンドを短期で企画に反映するとかODMっぽい話も混じっている。

ビジネスモデルも開発体制もはっきりしないプレスリリースを読む限り、ちょっと期待薄かも知れないと思いながら商品を検分してみた。

商品を細かくチェックしたところ、中国製やベトナム製などが入り交じっているものの素材や縫製は破綻の無い大手商社仕様で、残念ながらパターンやフィットも大味な商社標準仕様でしかない。


きれい目ニート好みのイトーヨーカドー顧客を見据えたオリジナルなフィットとは言い難く、PBと言うより商社NBと言った方が実態に近いのではないか。

AAAを使ったイオン流のCMは今風だが最後は何時もの『行ってみようカドー』の駄洒落でガクッと来るし、肝心の商品はベーシックに過ぎて着こなしも今風の緩ニートさを欠いている。


ネルシャツの柄など去年のライトオンかと見紛うほどで、新鮮さはまったく感じられない。


本格的なSPAに挑戦という建前とは裏腹に、商社に丸投げしたとしか思えない。

顧客を等身大に見据えて手堅いパートナーと組んだ「GALLORIA」がそこそこ成果を挙げているだけに、「good day」は大空振りにならないかと心配してしまう。

WEBとリアル店舗の融合など最先端の戦略が評価されるイトーヨーカドーだが、SPA戦略は未だ顧客も自分も見えておらず、「ユニクロ症候群」の二の舞を演ずる事になるのだろう。