人の性格、特性を客観的に知る指標として、職業適性検査などが広く行われている。
しかし、法政大学の島宗理教授は、この種の情報だけで、その人の将来を判定することには問題があると指摘する。
一つは「個人差」で、もう一つが「変化可能性」だ。
後者の例として、小学校までは内向的だった人が、中学、高校と進むにつれ社交的になることは、よく見られる。
島宗教授はこう述べる。
「《性格》という名札を使って人の心を理解したような気になって思考が停止してしまうと、もっとわかることがわからないままになってしまう」(『人は、なぜ約束の時間に遅れるのか』光文社新書)
私たちは、人を“ラベル付け”しがちだ。
人と接してきた過去の経験に照らして、「この人は○○タイプ」などと“判定”してしまう。
しかし、深く知るほど、人への見方は重層的になる。
何より、人は変わりうる存在であることを忘れてはならない。
人材育成のポイントとして、
第一に『会う』こと。
会って、その人を知ることだ。
知って、その人を励まし、成長を願い、祈ることだ。
じっくりと友人、同志と語らう時間を作って、「ともに成長」を期していきたい。