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山口 芳明 の奮闘記

最近の商業施設はキーとなる大型区画を外資SPAに依存するしかなく、彼らの出店政策に振り回されてギリギリまでゾーニングが固まらないケースもあると聞く。


開業後にしても、二子玉川ライズのH&Mが震災直後、一方的に長期休業して上層階テナントが苦渋する事態となった事は記憶に新しい。

H&Mやフォーエバー21は1000~3000平米と確かに大きいが、周囲を値崩れに巻き込む弊害やブーム冷却による販売効率急落のリスクも大きい。

ZARAやGAPは人気が定着して販売効率も安定(決して高くはない)しているが、せいぜい1000平米しか埋められない。


TOPSHOPの大型店は価格が高い割りに陳列演出が量販ぽく、アバクロは価格の異様な高さに加えて強烈なアロマの流出が周囲の迷惑となるし、アメリカンイーグルは日本での評価がまだ読めない。


他にも外資SPAは幾つかあるがキーとなる規模感があるのはこのあたりまでで、選択肢は極めて狭い。


これから上陸するビクトリアズシークレットやアンソロポロジーもせいぜい500平米だから、1000平米級以上の大型店は出尽くした感がある。

目を国内勢に移しても、1000平米級で販売効率が期待出来るのはユニクロのみ、500平米級でもお手頃なのはアズール・バイ・マウジーぐらいで、大型セレクトショップは価格帯の高さで導入出来るケースが限られる。


他にも大型ストアは幾つかあるが、販売効率が低すぎて二の足を踏んでしまう。要はキーとなる魅力的な大型業態が絶対的に不足しているのだ。

デベの要望もあって外資に張る大型店を開発しようという機運はあるようだが、実験的に開発されたストアを見てもインパクトは今一で、販売効率も期待水準には遠い。


これまで幾つか開発された大型業態を見ても、既存ブランドを複合したタイプはどれも寄せ集めの域を出ず、販売効率も低位に留まっている。

客数と売場有効率から計算すれば誰でも判るが、個々のブランドをモールに並べた場合のせいぜい7掛けの7掛け(49%)の販売効率になってしまうからだ。

未だ大型業態の構成手法や運営手法が確立されていないというのが実情だろう。


外資頼みという現状を打破して選択肢を拡げるべく、国内勢には真摯な大型業態開発を望みたい。