畑や空き地、庭の隅、道ばたでひっそり生きる雑草。
ふだんは気にもとめてもらえない。
それどころか、厄介者扱いである。
しかし雑草は、何度踏まれても生き抜く。
抜かれてもまた生えてくる。
しぶとい。
だから、カタバミという雑草の一種は、家紋の図柄によく使われているという。
子孫が末永く続くように、との願いが込められている。
雑草のたくましい生命力の秘密は「逆境」にあると、農学博士の稲垣栄洋氏が『身近な雑草の愉快な生きかた』(筑摩書房)に記している。
例えば葉が大きなオオバコ。
人が通る道やグラウンドに生えるのは、どの草も避ける厳しい環境に身を置くことで、他の植物との競合を避けられるからだ。
踏まれることで、葉も茎も鍛え上げられる。
逆境を成長へのバネにしている。
加えて、人や動物の足に付着した種子も遠くへ運んでもらえる。
氏は「どんな環境であっても、必ず花を咲かせて実を結び、種を残す。これが雑草の生き方である」と綴る。
どんな人にも、咲かせるべき“花”がある。
どんな逆境も、“そこに使命あり”と決めれば、花を咲かせる最もふさわしい場所になる。
No.1 じゃなく、Only.1に、、、