春を告げるように、鮮やかな黄色の花を咲かす「春黄金花」
サンシュユの別名で、小枝に多数の花が密集し、全体が黄金色に輝いて見える。
やがて葉が開き、秋には赤い果実を付け、「秋珊瑚」と呼ばれる。
季節ごとに新鮮な感動を広げてくれる。
「春の枝に花あり」――
生誕150周年を先ごろ迎えた思想家・内村鑑三に、この一節から始まる詩がある。
夏は葉、秋は果と続き、枝に宿る自然の移ろいがつづられるかと思えば、冬の枝には「慰あり」と、、、
当時、彼は不遇の底にあった。
職を失い、身は患い、妻を亡くす経験もしていた。
それでも胸を張り、前を向いた時に、冬の凜たる小枝に勇気をもらったのだろうか。
「寒中の木の芽」と題する一詩はさらに、花も葉も果もなくなった後に、「芽は枝に顕はる」と続く、、、
そして、自らを励ますように呼びかける。
「嗚呼憂に沈むものよ/嗚呼不幸をかこつものよ/嗚呼冀望の失せしものよ/春陽の期近し」
厳冬の時代は辛く悲しい。
心も凍え、忍耐の日々だ。
だが、大輪の春の花は、冬を越えてこそ開花の喜びを知る。
胸中の希望の春を断じて見失ってはならない。
今日も1日、、、