来年のNHK大河ドラマは50作目。
徳川2代将軍・秀忠の妻である江の生涯を描く。
信長の姪で、秀吉の義妹、家康の義娘。
戦国から江戸への移行期を、その中枢で生き抜いた希有な女性。
原作の著者・田渕久美子氏はドラマの副題「姫たちの戦国」に込めた思いをこう述べる。
「愛しい人が、明日にも戦で死ぬかもしれない、そんなひりひりと切迫した時代、女たちはただひとえに争いのない日々を思い、恒久的な泰平を願っていたのではないだろうか」
女性の特質の一つは「愛する」こと。
男が名誉や利害のために戦う一方、女性には愛する人々を守る“戦い”があった。
しかし、女性は戦乱を嘆き、平安を祈るだけの歴史の脇役ではない。
事実、考古学者のM・ギンブタスなど、「人類の歴史=戦争の歴史」という通説を覆す研究は多い。
例えば、欧州では紀元前数千年頃まで、女性原理を基盤とした、母権的な平和の文化が花開いたとの説がある。
「ゆりかごを動かす手が世界を動かす」とも言われる。
女性に心から感謝し尊敬。その時代を創ることが、希望ある未来を創ることだ。