すぐれたマネジャー、課長、部下に共通するスキルだけでなく、今組織にもっとも足りない点がわかる。
ほんの視点のずれだったり、当たり前が硬直して、固い考えで止まってしまったりといった、考え方と見方が変われば、大幅に変わる。
今世の中には、コミュニケーション本、それに類する資格が山のようにある。
ほぼ内容は同じです。
しかし、本書のように対話という、リアルな日々に直結したポイントは、実践を経ないと見えないものであり、そういった点がよくまとまっているので大いに参考に出来ます。
【本文要約】
■対話とは一対一の共創作業
■個と組織を強くする対話
1。目標ではなく目的を見つめる対話
・やる気をなくす三つの要因
組織の硬直化、暴君化
働く個人の脆弱化
組織と個人のコミュニケーションの粗雑化
・目標だけが覆いかぶさる組織は疲れる
・意味や目的は対話により共有される
・上司と部下は顧客、社会、事業の未来を眺めてみる
2. 競争から共創へ導く対話
仕事の成果管理ばかりでなくプロセス進化を
3.悪い残業を良い残業に変換する対話
・みんながあきらめ感で働きすぎを容認している
・やる価値のない残業を減らす
・会社の目的と個人の目的、二つの円を重ねる
4.人の流出が輩出に変わる対話
・トップが発信した理念、思想、ビジョンに部課長が感化をうけ、咀嚼し対話しているか
・転職は巣立ちであると考える寛容の心を持つべき
リテンション型…終身雇用前提。囲い込み
ボンディング型…パートナー関係になる
・職業人としてつながること
5.風土に流されない文化をつくる対話
・機軸となる価値→個々の共感→志向性、行動様式が共有
会社らしさ、新しい伝説など
■基礎となる観
・仕事観…よい仕事の定義をもつ
長期的使命
価値を具体的な言葉に落とす
よい仕事七つの機会…収入、成長、感動、触発、学習、貢献、財政
・キャリア観…よいキャリアについての原則をもつ
意図と結果できたミックスがキャリア。勝ち負けではない
・人財観…よい人財についての信念をもつ
自立から半自律、そして自律へ
丸ごと機会を与えれば丸ごと人間が伸びる
・組織観…よい組織についての思想を持つ
組織の三要素 バーナード
コミュニケーション、貢献意欲、共通目的
厳しいけど面白い。大変だけどやっていて甲斐がある。のがよい組織
・社会観…よい社会についての哲学を持つ
■対話を深める心構え
・文脈、内容、振る舞いの3Cを意識する
語るべき内容を持たぬ部課長は永遠に部下、組織を率いることなど出来ない
・1+1=3の共創作業を意図
対話をするにはラポールが前提
・上司と部下で共有目的を設定
分かち合える理念やビジョン
・貢献意欲を沸かせるのが部課長の仕事
三つのコミュニケーション…情報伝達、貢献意欲喚起、関係性融和
■部課長は五つの役割を引き受ける
管理監督者
価値の翻訳者
才能の孵化親
職業人のロールモデル
良識、見識ある一人間