平凡のように見えたとしても、一日として同じ日はない。
一日として同じ自分でもない。
すべての現象は変化の連続である。
自然界もそうだ。
鴨長明は『方丈記』に記した。
「往く河の流れには絶えまもないが、それでいて、水はつねにもとの水ではない。
淀みに浮かぶ水の泡も、消えたかと思うとまた結んで、
長く姿をとどめるためしはない」(現代語訳)
「生きるとは、ゆっくり誕生することだ」。
作家のサン・テグジュペリが『戦う操縦士』(みすず書房)で、そう綴っている。
ゆっくり誕生するということは、自分で日々“新しい自分”を創造していくことであり、
変化していくこと。
きのうより、きょう、そして明日へ“新しい自分”を築いていきたい。
人生に完成品はない。停滞もない。
日々、前進か後退か。向上か堕落か。
生きることは変化し続けることであり、完成に向かう建設の連続である。
“前進と向上の炎”を燃やし続ける一日一日でありたい。
S新聞より