2013年6月に見たライブ | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

さてさて2013年6月はいかにはてなマーク


1,2,3…なーんと、17本も行ってるじゃないですか。今月ははしごしてないのに…


うーむ、少し抑えないといかんな。


一方で、ヒグチアイの企画ライブ5連発の通し券を買っていたのに、結局行けたのは3件だけ。最初から3回券にしておけば良かった。なんか、いろいろと無駄してるなあ(笑)でも、その3回とも充実の中身だったし、まあいいか。

特に6月9日のロックの日に、渋谷Milkywayで斉藤麻里と開催した3回目の「NUDE ROCK MUSIC!!!」は、自分的には最高のブッキングで興奮しまくり。これまでの2回と違い、2人に加えてこの日はゲストミュージシャンが2組も登場。その2組ともが、僕が大・大・大好きなグループなのだから。ズクナシとTHE SOUL KLAXON。最初から最後まで、本当に興奮のイベントだったよ。アイちゃんからも僕のために開いた企画のようでしょ、と声をかけてくれた。よく、わかってるねー、感謝ビックリマーク

ズクナシは、女性4人組のソウルバンド。けっしてガールズバンドではなく、ぶっとびパワフルでソウルフルな格好よいお姉さまたち。彼女たちの演奏が始まるや、もはや客席はダンスフロア。全開グルーヴィーなサウンドに体は勝手にノリノリで、一緒になって音譜チョキ、チョーキチョキ音譜と両手を突き上げて歌いまくり。楽しかったー。

そして、THE SOUL KLAXON。ボーカルKayoちゃんと、ギター斉藤良治くんが中心になって結成した、超格好よい古き良きアメリカンロックの4ピースバンド。そのサウンドの痺れることといったら!This is my soul music!!望郷の念を掻き立てられて仕方がない。タイトルもずばり「America」とか「Highway」とかで、その歌を聞けば典型的なアメリカの田舎町の光景がありありと目に浮かんでくる。分かりやすい4ビートに乗って、Kayoちゃんのハイキーで強いボーカルがキラキラ輝き、わざと70s風エフェクトのギターが超絶テクで琴線に触れまくる。マドンナのカバーとか、もうヤバイよ。

この二組の作った熱い空気を、勢いよくアッパーに盛り上げた斉藤麻里もさすがのステージ。この3組が終わった時点で、ヒグチアイが引けをとらずトリを務めらるのだろうかと、さすがに少し心配してしまった。が、それは杞憂だった。この日、彼女はまた大きく脱皮してみせたのだ。今までにないほどの高みへ。バンドで登場して演奏を始めた途端に会場を包んだ緊張感と期待感は、今までにないほど大きかった。初のアレンジで今までにない濃密な音を紡ぎ、ボーカルが入ると思わず心を奪われた。抑えめながらぶっとい声の束で突き刺し、強弱のメリハリを絶妙に利かせながらサビへと緩みなく一気に運んでいく展開力、それでいて細部まできめ細かくかつての粗さはない。感動の量が半端ない。もうインディーズなんてレベルではない事を、彼女自身がそのステージで証明した一夜だった。


さあて、今月は他にも面白いライブが沢山あったよ。ちょっと見てみよう。


 音譜  音譜   音譜

<2013年6月に参戦したライブ>
1日(土)斉藤麻里×はるのまい ツーマンライブ「M station」@渋谷O-crest

2日(日) 吉村かめジャンクション vol.2@渋谷gee-ge
吉村かおり、アキドリ、ツヅリ・ヅクリ

3日(月) 吉音2013アフターライブ@吉祥寺PlantK
LADY,THE BITCH、The Brush、泉モダンJ

7日(金) "Story of 88 keys" ~星空メリーゴーランド~@高田馬場・天窓comfort
諫山実生、横田良子、井上水晶-mia-

8日(土) Girl's UP!!! vol.111@渋谷eggman
Avaivartika、松下唯、key、Draft King、ストロボサイダー、NIHONGI、7th.NutsMile、CREA

9日(日) 「タイフウノメ-NUDE ROCK MUSIC!!! vol.3-」@渋谷Milkyway
ヒグチアイ、斉藤麻里、ズクナシ、THE SOUL KLAXON

12日(水) JAZZ NIGHT@天王洲アイル Waterline
たをやめコケストラ

14日(金) 暗闇トリップvol.7 -生音でバトンタッチ- @代官山・晴れたら空に豆まいて
カケラバンク、玉城ちはる、Soulcolor、中尾諭介

16日(日) テンキアメ@北参道strobe cafe
星羅・ヒグチアイ ツーマン

17日(月) ココロノナカカラ@吉祥寺Star Pine's Cafe
小林未郁、関取花、瀬里奈、渡辺麻美

20日(木) Avaivartika 1st ワンマン「Cosmic Paradise」@渋谷eggman

21日(金)女をなめんなよスペシャルvol.3@新宿LOFT
チャラン・ポ・ランタン、日比谷カタン、蜜、たをやめオルケスタ

23日(日)LADY,THE BITCH presents "What could I do"Release tour final live@吉祥寺Crescendo
LADY,THE BITCH、Voice of Mind

24日(月)花月夜@青山・月見る君想フ
見田村千晴、和紗、中前りおん、ババカヲルコ

25日(火)初夏凛々@下北沢seedship
ヒグチアイ、河野圭佑、樽木栄一郎、なかにしりく、キクチリョウタ

26日(水)玉城ちはるワンマン「Luxury Room ~蜜月の間~」@渋谷JZBrat

29日(土)ふわ(o・v・o)ライブ「じぶんより大きな生きものがいないこと 気付いたときのくじらのコメント」@Miiya Cafe
斉藤麻里、小玉しのぶ、中前りおん、小林未希、kaho*、扇愛奈

 音譜  音譜   音譜


斉藤麻里とヒグチアイが3回、たをやめオルケスタ、Avaivartika、LADY,THE BITCHという大好きなバンドと玉城ちはるが各2回と多かった。

麻里ちゃんとヒグチは冒頭に書いたロックの日のほかにも、それぞれの2マンやブッキングライブでも参戦しておりたっぷり堪能。2人とも今の東京のインディーズミュージックシーンで、女性シンガーソングライターを牽引する代表的プレーヤー。その実力はつまらないメジャーアーティストの域を大きく超えていると思う。決して後悔しないクオリティのライブを毎回見せてくれる。ファンも数もぐんぐん増えているよね。


そして2回ずつ見たのが、個人的に大ファンの3つのバンド。毎回、大興奮でその音楽を楽しんでいる。

そのうちのAvaivartikaが20日、ワンマンを渋谷eggmanで開催した。なんと、これが初ワンマンだというから驚き。そもそも実力・経験十分のミュージシャンたちが世界一を目指して結集したバンドだから、その演奏力や楽曲のクオリティはメジャークラス。宇宙をイメージしたエレクトロロックは、未来のロックとはかくありやと思わしめる。ま、理屈なんてどうでもよい。ただその音楽に触れれば、シンセ音とエフェクターかましまくりギュンギュン響きまくるギターの音に心は奪われ、世界一にもなったベーシストと複雑な撥さばきながら軽快さを失わないドラマーの繰り出すビートに体はリズムを刻み出し、男前で惚れ惚れするパワフルな女性ボーカルの熱唱に
痺れてしまう。

この日は初ワンマンというのに、最初から最後までほとんどMC無し。銀河鉄道999の特急電車かのように、宇宙の星々を光速で駆け巡っていく壮大なドラマを、そのロックで描き出していく。お客さんでほぼ一杯になったeggmanはティカファンばかりだけに、物凄いテンションで声援をあげ手拍子を打ち鳴らし、ともに踊っていく。バンドメンバーが野太い男声でコーラスする楽曲では、お客さんも一緒になって声を枯らし、タオルをぐるぐると回す。その熱気、楽しかったよ!

Avaivartikaは、世界規模のインディーズバンドコンテストEMERGENZAの2013年日本大会で優勝し、世界大会では4位に入った実力。ファンクラブも立ち上げ、世界のレーベルからも注目されているらしい。彼らの高いクオリティの音楽なら世界中にファンを作れるのは間違いない。欧米で大活躍して、日本に逆輸入されるような筋書きを夢見ても、大きく外れることはないのではないか。期待度MAXの彼らの今後には要注目だ。


イベントでは、冒頭で紹介した『NUDE ROCK MUSIC!!』と並んでこの月に面白かったのが、21日にあった『女をなめんなよスペシャル』だ。チャラン・ポ・ランタンの企画イベントも今回が3回目。1回目から無茶苦茶楽しかったから、毎回、会場となる新宿LOFTには足を運んでいる。そうそう第1回には、前記のズクナシも出演していて熱いステージを繰り広げた。

今回の目玉は、何と言ってもこの半年ぐらいで急速に人気を高めてきたチャランポのステージ。その独特の世界観は唯一無二。ロシア民謡とラテンと昭和歌謡をごちゃ混ぜにしてサーカスで割ったような、無数の天然色が散りばめられた音楽ワールド。そこに、若干20歳ながら美空ひばりのような声と技巧を持ちライブの落とし子のようなステージングで客を沸かせまくるももちゃんのボーカル。てつもない怪物グループだよなあ。

ほんと、ちょっと前まではいつでも当日券でOKだったのに、最近は100~200人ぐらいを毎回のように動員してしまうから、最近は前売り購入しないとね。でも、彼女たちは絶対人気が出ると前から思っていただけに、嬉しい展開。もっともっと売れること間違いなし。今から彼女たちをチェックしておかないと損するぜ!