土曜の夜は知人を誘ってクールジャズ。予約して南青山Body&Soulへ。今夜はニューヨークを中心に活躍しているドナルド・エドワーズ トリオ が来日しており、聞いてみたかったのだ。
といっても彼らの演奏聞くのは初めて。ステージが始まるまでワイン飲んで、美味な料理に舌鼓を打ちながらワクワクして待つ。続々とお客さんも入ってくる。意外と年配の人が少ない。逆に女性グループだけでなく、一人でくる女性客も多いのだ。最近は、女性たちの方がこうした楽しみにより積極的な気がするが、今夜もそれが証明された感じ。
トリオの構成は、ドナルド・エドワード(ds)、 オーリン・エバンス(pf)、 ダリル・ホール(b)の3人。ダリルはホール&オーツじゃないよ(笑)その3人が繰り出す音は迫力満点。思わず心の底から揺さぶられる。曲の終りや、それぞれのソロで魅せ場を作った後には、お客さんから大きな拍手が広がり、歓声も。みなトリオの演奏に昂ぶってくる。
リーダーがドラマーだけあり、そのビートが全体をぐいぐい引っ張っていく。しかも、ロックやポップスのドラムのように単純な響きではない。バスドラやスネア、シンバルという限られた打楽器だけで変幻自在なパッセージを作り出し、それをすごいスピード感とテンションで次々と繰り出していく。その無限の変化、展開の早さ、切れ味に聞いているだけでアドレナリンが駆け巡る。もう興奮ものの響きだ。
そこに、ジャズならではのパッセージでソロパートを響かせるピアノとウッドベースが絡み合う。特にベースのダリル・ホールが紡ぐ、低く太くそれでいて軽やかで自在な音がズンズンと響く。
3人が作り出すグルーブは秀逸。なかなかここまで熱く奏でられるジャズバンドはいないのではないか。昨今は繊細な音作りするグループや、どちらかというとポップな音でBGMになりそうなグループは多い。だが、これだけ力強く迫力あるサウンドで、ぐいぐいバトルするには、鍛練も必要。熱いジャズの時代を想起させてくれる。
1st Stage
1)The Essential Passion
2)Duke Of Duckland
3)Colm On The Prairie
4)Tickle
2nd Stage
1)For Miles
2)Stable Mates
3)Asamis Playland
4)Lalaby Of Birdland
5)Don't Call Me Worry
en. Body And Soul
熱い演奏の後は、盛大なアンコールを受けて、この会場に敬意を表するBody&Soul。一転して、抑えめに静かに、それでいてエモーショナルな演奏で、火照った体を沈め「おやすみ」と囁いているよう。さすがだなあ。
うーん、また聞きたい!ボーカルなんていらない。これだけ、多彩な音とリズムで多弁に語りかけてくれるのだから。素晴らしいな。