10/8/25 宝美、見田村千晴、蘭華@Loop | 音楽偏遊

音楽偏遊

最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

最近、活躍著しい宝美と見田村千晴を聞きに、代官山LOOPへ。2人とも久し振り。他の出演者はRayと蘭華だ。先に書いてしまうと、宝美が素晴らしいインパクト。もはや彼女はメジャーリーガー級の感動。今日は別のライブにも惹かれたのだが、ここに来て良かった。大満足なり。

この日のイベントタイトルは「ともしび」。ステージと客席の間に、たくさんのキャンドルケーキを置き、ゆらゆらとした炎が厳かでお洒落な雰囲気を醸す。

ただ、この日のキャンドルナイトは、電気いっさい使わず温暖化ガス排出を抑えるアースコンシャスなイベントではなく、あくまで演出的なもの。マイク使ってPA通し、ライティングも併用する。装飾として、沢山の蝋燭の火が揺らめく舞台から、ムーディーな演奏も生まれそうだ。

1番手は見田村千晴。彼女はそんな雰囲気に合わせて、座ってギター弾き語り。サポートにウッドベース。いつもは立って、客席へ投げ掛けてくるような演奏スタイルだけに、また違った「大人の魅力」(本人談)が滲む。

1)渋谷駅東口歩道橋
2)ラプソディー
3)紙とペンがこの手にあれば
4)だからあなたに恋をする
5)epilogue

実は「渋谷駅~」は結構お気に入りの1曲。いきなり歌ってくれて嬉しい。揺らめくキャンドルの中から、彼女が歌いかけるステージは落ち着きもあり、風格が漂い始めた感じ。場数を踏んで、着実にステップを上がっていることがよくわかる。

彼女の魅力は、その雰囲気ある歌声・歌い方にある。心に絶妙に引っかかってくるのだ。1曲の中でドラマを作り出す力が秀逸で、その声をとっかかりに曲世界に引き込まれてしまう。

「紙とペン~」みたいな小曲で肩の力を抜き、ベースのリズムが効いた比較的アップテンポの「だからあたなに~」で手拍子が沸き起こる。ギターのガットがリズミカルで、会場を盛り上げる展開もなかなか。最後の新曲?はメロディアスでまた聞きたくさせてくれた。

見田村千晴は、まだまだのびしろが大きそうで、本当に可能性を感じるアーティストですよ。


2番手はRay。ピアノ伴奏でボーカル専念。丸顔、短髪の金髪。歌は少し単調。歌唱力を表現力で補うかのように、いろいろ試行錯誤している様子。英語の曲間に「かごめ、かごめ」を挟んだり。ただ、その狙いがストレートに伝わってこない。感動を生み出すには、まだ色々身に付ける必要ありそうだな。

3番手に蘭華。きれいなソプラノボイスがすごく印象的。クラシックの発声。音楽は、中国の楽器、二胡の奏者を中国から招き、キーボードも付いて広がりのある素敵な演奏。アジアの伝統的な音階が基調にある。キャンドルに合ってる。

選曲もセットリストにあるように中国を意識した構成。というのも、彼女は日本で生まれ育っているが、両親が中国人。そんなルーツを彼女は大切に思っており、「音楽を通じ、日中の架け橋になれれば」と語っていた。

1)夢の途中
2)maama
3)蘇州夜曲
4)燕になりたい
5)ともしび
6)草原情歌

ところどころ気になる点も。蘇州夜曲は多くの人が歌っている古典だけに、彼女なりの解釈や歌い方の工夫が必要だったのは分るが、少しテンポが速過ぎ。この曲の世界はもっとしっとり歌った方が絶対に良い。二胡まであるのだから、スケール感たっぷりに大きな世界を創出して欲しいなあ。

もう一点は歌詞。2)4)などのオリジナル曲を聞いていると、あまりに直接的な表現ばかり。もう少し詩的な言葉で情をほだす工夫が必要ではないか。もしくは、詩は誰かに書いてもらうとか。せっかく声もきれいで、スケール感ある歌い方できるのだから、もったいない。でもまた、聞いてみたいけど。

次回の「ともしび」に彼女も出演するようだが、対バンはヒナタカコ。この二人、世界観が似ている気がするが、欄華にはぜひ、ヒナタカコの詩に注目してよく聞いてもらいたいなあ。ソングライターとしてのヒナタカコは、かなり参考になると思うよ。

さあ、そしてラストは宝美。先にも書いたがすごいインパクト。こんな歌手を待望していたよ。

高音のきれいな伸びとパワーが素晴らしい。歌唱力の技量も相当なもの。そして楽しそうに歌う。その感覚派的なステージはどこか清家千晶にも通じるような感じだ。

今日のステージを見た印象では、彼女が明日、大ヒットを出してもおかしくない。間違いなくいずれ大物になりそうな予感ありあり。感動を、これだけ産み出せる歌手はそういない。感銘しました。

やや発声の安定感が足りない高音部分なども見受けらたけど、これからいくらでも成長できる。なんせ、まだ23歳になったばかりとのこと。羨ましい。

1)NOAH
2)キレイになりたい
3)うたをうたおう
4)約束
5)透明な空
6)心の鍵

この日、iTunes限定ダウンロード配信を始めたのが5)と6)。でも、一番感動したのは「約束」。これは名曲だ。それを彼女が歌うと、涙が出るほどの感動に胸が熱くなる。素晴らしい。

さらに、その前に歌った「うたをうたおう」。ギター引き語りで、耳になじみやすいメロディーと歌詞。歌詞知らなかったけど、「うたをうたおう~♪」と思わず口ずさんでしまった。この曲も好きだ。

ラスト2曲もとてもドラマティック。家に帰って早速ダウンロードしてしまった。昔のライブで買ったアルバム「ただの石」とライブでフリー配布した「生まれたところを遠く離れて」の音源は持っているが、「約束」「うたをうたおう」は入っていない。欲しいなあ。何度でも聞きたい2曲だったなあ。

彼女の曲は、とにかく素晴らしい作品が多い。9月にこのLOOPでワンマンやるのだが、すべての曲をじっくり聴けるこのワンマン、行こうかどうしようか悩む。同日に別のライブに行く約束をしているからなあ。

ちなみに、この日に行きたいライブ(イベント)がなんと4つもあった。泣く泣く断念した3つは、原宿KDDIスタジオのフリーライブ(いいくぼさおり、きぃこ☆クッキー、鎌田純子、あえか)、晴れたら空に豆まいて(柊奈緒、tomomi、September、孔井嘉乃)、そして笹生実久の新宿SACTでのBAR330ですね。KDDI→SACTとはしごするか悩んだよー。

ちなみにBAR330のUst放送、なんと300人超の視聴があり、その時間帯のUst視聴率が世界で7位だったらしい。すごいねー、爆