あじあん Asian ST(言語聴覚士ブログ)

あじあん Asian ST(言語聴覚士ブログ)

回復期病院→JICAボランティア→大学院で学び、その後は神経発達症のお子さま等の支援に関わらせてもらい、現在は総合病院に勤務しています。言語領域に関わるトピックや、問題解決に役立つ情報を提供していきます。関心のある方はどうぞお立ち寄り下さい。

こんにちは! AsianSTです!😊

 

 

皆さん、如何お過ごしでしょうか?

ここ沖縄では雨も多かったですが、

台風18号の直撃はなく、

今日は、息子の学校の運動会が開催

されてほっとしているところです😮‍💨

 

 

さて今回は、高齢者のお話です!

「繰り返す誤嚥性肺炎に対して

何をすべきか?」

をテーマにお届けします!

 

 

通常、食べ物を食べた時には、食べ物は食道に

運ばれますが、それが誤って気道に入って

しまうことを誤嚥と言います。

 

 

 

 

私達で言えば、激しくムセている時が、

それに当たります。

気道の先は肺になりますが、食物が雑菌

といっしょに肺に入って

炎症を起こしたのが誤嚥性肺炎です。

 

 

逆に言えば、雑菌を含まない食べ物や唾液を

誤嚥したとしても誤嚥性肺炎にはなりません。

 

 

誤嚥性肺炎を引き起こす原因となる雑菌は

肺炎球菌が最も多いと言われています。

 

 

疾患別の死亡率を調査した厚生労働省の

データによると、誤嚥性肺炎は日本人の死因の

第6位で、男女合わせて実に56 068名の方々が

亡くなられています。

 

 

男女比で言うと、男性33 459名、女性 22 609名

と男性の方が多い傾向にあります。

 

 

   主な死因の構成割合(2022年)

  厚生労働省「令和4年(2022) 人口動態統計月報年計(概数)の概況より引用」

 

 

ん~、相当な数です…

 

 

誤嚥性肺炎が起きてしまったら

肺炎の治療はお医者さんの役割になりますが

私、言語聴覚士の役割は、やはり目の前の

患者さん一人一人に丁寧に向き合ってリハビリを

していくことしかないと思っています。

 

 

繰り返す誤嚥性肺炎に対して…という今回の

内容ですが、これは私の経験からの話に

なるので、誤嚥性肺炎の方、誰にでも効果が

あるとは限りませんが

(要因は個々で異なってくるため)

参考にみていただければと思います。

 

 

この患者さんの大まかな概要ですが、

かなり高齢で、認知機能低下あり、

生活は全介助の状態です。

 

 

そして大まかな経過です。

 

 

施設暮らしの中で、誤嚥性肺炎を発症し

病院に入院。肺炎治療、リハビリを終えて退院。

 

 

数日後には、再度誤嚥性肺炎を発症し入院。

肺炎治療、リハビリを終えて退院。

 

 

さらに数日後に、また誤嚥性肺炎を発症し入院。

肺炎治療、リハビリを終えて退院。

 

 

また数日後に誤嚥性肺炎を起こして入院。

この時点で私が担当になりました。

上記同様に、肺炎治療、リハビリを終えて

退院となりました。

 

 

しかし前回、前々回の退院後すぐに誤嚥性肺炎

を起こしていたため、今回は施設側から、

施設の職員さんへの直接の指導を

お願いされました。

 

 

それは、退院当日に行うことになりました。

 

 

私は、以下5つのポイントに絞ってお伝えしました。

 

①   口腔ケア

スポンジブラシでしっかりと肺炎の要因となる

汚れを取り除く

 

②   安静時の姿勢:側臥位~半側臥位

安静時に仰臥位で寝ている状態の時は、唾液誤嚥の

リスクが高くなる

 

③   食事内容(水分のとろみ:ケチャップ状)

ミキサー食、お粥ゼリーなど誤嚥しにくい食形態

 

 

④   食事介助方法

側臥位~半側臥位、全介助

⑤    吸引:

のどに残ったものを誤嚥するリスクがあるため

 

 

注意点としては、

飲み込みの喉の動きを見逃さない

ことを強調してお伝えしました。

 

 

理由は、高齢の方では時々見かけるのですが

嚥下していないのに口を開けることがある

ためです。

 

 

これは、

自分が飲み込んだかどうかを感じ取る力の衰え

でもあり、介助者側の注意力も求められます。

 

 

また、誤嚥というと食事の注意点に目が行きがち

ですが、私は、

安静時にいかに唾液の誤嚥を

防ぐかが重要と考えています。

 

 

車椅子に乗っている時の姿勢も

誤嚥リスクを伴うものであったため、その姿勢

での食事は行わないようにお願いしました。

 

 

指導では、こういったことをできるだけ丁寧に

質問も受けながら、実際に食事介助も行って

もらいながらお伝えしました。

 

 

ではその後はどうか…

 

 

数ヶ月経っても、誤嚥性肺炎の情報は

聞かれていません!👍

 

 

痰も減って、食事摂取量も増えたと聞いて

います☺️ これは伝達したことの中に

誤嚥性肺炎の要因を防ぐ内容があったのだと

考えられました。

 

 

しかし、これは上記の情報伝達だけではなく、

職員さんの頑張りがあって初めて得られる

結果だと思いました🙇‍♂️

 

 

それでは、今回はここまでにします。

今回も最後までお読みいただき

ありがとうございましたm( _ _ )m  

また次回お会いしましょう(*^▽^*)!